紫陽花と入野美羽
文字数 1,085文字
子供の頃の美羽は、とても元気だったけど、内弁慶な女の子で、友達もなかなか出来なかった。興味があったことは、音楽。昔からおもちゃのピアノを弾いて遊んでいた。
六歳の時、美羽はクラシックの楽器体験に参加した。もちろん、お母さんに参加した方がいいと言われたから参加しただけなのだ。その時、美羽はオーボエの音色に目をつけた。蛇使いの吹く笛のような音色に心を奪われたのだった。
世界で一番難しい木管楽器と説明を受け、オーボエのダブルリードを口に咥え、楽器に息を吹き込んだ。
翌年、美羽はコンクールでの入賞を逃したんよ。そこからクラスの対応が変わった。美羽は、一人ぼっちなんや……、と感じるようになったのはこの頃なんやと思うんよ……。紫陽花の花言葉を言った……。
美羽が閉じ籠ってるだけやと……。
でも、この空虚な思いは何やねんねろう……。