空を飛べないエンジェル
文字数 1,617文字
その人は、結愛の兄を独占して、兄をとろうとしている。
結愛は、その人を認めたくない。
空を飛べないエンジェル、でも良いって思っている。
それでも、兄に刃向かう彼女を許せない。
だったら、軽い意地悪をしても怒られない……。
結愛は、彼女のいる部屋に入る。
時間は、深夜二時……。当たり前だよね、指揮者さん。
兄に変な知識を生み付けた悪の根源……、だと結愛は思う。
翌朝、彼女は、渚と里紗と話している。
里紗は、漸く車イスから松葉杖の生活になって安心したのは事実。結愛は、彼女たちの話に混ざってみる。
合奏の時間、結愛は上の空だった。皆、上手いなぁ……指揮見てないけど……。
渚や圭は、どうしてこんな指揮者さんに心を開いたの? ずっと心を閉ざしていたら、結愛はずっと圭や悠と一緒にいられたのに……。
恥ずかしい。
何故、圭はこんな指揮者さんを選んだの? パートナー制度のせい?
各パートごとに吹かされる死刑宣告軽いバージョン……。
結愛が、公開死刑……。
結愛が吹くアルトサックスは、世界一なんだから!!
すらすらと吹き上げるも歌音の表情はしっくりこない。
結愛は、歌音を認めたくない。
悠と圭を守るのは、結愛なんだから……。あなたの好き勝手にさせないわ。覚悟しなさい、鈴鹿歌音!!