第三の曲
文字数 2,200文字
その間に「 吹奏楽フェスティバル 」で演奏する第三の曲が決まっていた。
やる曲はこれで全て決まったことになる。一曲目はベニー・グッドマン作曲「 sing sing sing 」、二曲目はドミィートリイ・ショタコーヴィチ作曲「 祝典序曲 」、三曲目はマルコム・アノールド作曲「 第六の幸福をもたらす宿 」になった。
歌音は、唖然とした表情で各パートのパートリーダーたちの拍手を聞いていた。同じく圭もそのようだった。上の空で話を聞いていた歌音も先程の話を覚えていないみたいだ。
嫌な予感がする……。空気が重たい。この空気は、誰が生み出しているのかなんて見てすぐに分かってしまった。
圭が一人で席に座り、大きなため息をついていたのだ。いつもなら昴や夕陽など色々な友人と笑いあっているはずだ。今日は、何故か一人でいる。遠くに昴と夕陽が圭を心配そうに見つめているのが分かった。
歌音は心配になり、圭に話しかけてみようと圭に近づいた。
歌音は、心配そうに圭を見つめる。圭は、沈黙を続けようとしたが、歌音には全て見透かされている事に気がついた。
圭は観念したのか、重たい口を開いた。
逆に歌音は一人で盛り上がっている。
歌音は、その意味を知るのはもう少し先の話となるとは知らず。