熱情
文字数 1,448文字
朝から様子はおかしいと思っていたが、ここまで無理をしているとは到底思っていなかった。
しかし、洞窟内の罠を踏んでしまい、今閉じ込められている。
これは、まじであり得ない失態……。病人の介助ってどうしたらいいのだよ!! 誰か助けて欲しい……。
くっそー!! 何故こんなことに……。……っていうか何故、歌音も言わないんだ!!気づいてあげられなかった自分に怒りを感じる。
膝枕なんて初めてした。意識のない人は、重たく感じる……気のせいなのか? 苦しそうにする歌音を圭はどうすることも出来ない。
しかし、圭たちはいつになったら出られるんだろうか……とにかく、お腹がすいた……。
まだ熱で顔が赤く上気させているが、さっきよりもマシになっていると思う。
よし、今のうちに風邪薬を飲ませて……。
……っていうか……エロい……。何故、歌音はこんなにもフェロモン振り撒いてんだ……。圭の中の自我が持たない!!
今は、病人の歌音にこんな感情を抱く圭は、きっと悪い悪い狼なんだ、と思うのであった。