黄色のバラと黄色のカーネーションとアネモネの花束(アネモネ編)
文字数 1,471文字
双葉の幼なじみでミミとは友達関係に当たる複雑な間柄にいる人間。
一樹と双葉は、同じ保育園出身で同じ小学校・同じピアノスクールに通っていた。いわゆる、長年の友達。
そんな時、同じピアノスクールで俺と双葉は、ミミに出会った。
ミミは、努力家で友達を作らずに練習と言う日々を送っている人だった。
最初の印象は、暗い人だなぁ、と思っていた。
ピアノを演奏しているときのミミの表情は本当に苦しそうだった。それを見かねた双葉と一樹は、ミミに声をかけたのだ。
悪戯をして怒られる日もあったけど……本当に楽しかったなぁ……。
理由は、ユーフォニアムをやりたい、という理由だった。
すると、双葉の母親はその日のうちにピアノスクールを辞めると連絡をし、ユーフォニアムのレッスンをしている教室に入会届を提出したのだ。一樹の母親も双葉の母親と繋がりがあり、一樹もピアノスクールを辞めることになって、双葉と同じユーフォニアムのレッスンをしている教室に入会届を提出したのだ。
この事をミミに伝えると絶交、と言われ、一樹たちの関係性は途切れてしまったのだ。
そして、今に至る。
そして、双葉はもしかするとミミに殺されるかもしれない、と最期の挨拶だけ、と送られてきた。
これは、歌音や圭に伝えるべきなのだろうか……。いや、伝えよう。手遅れになる前に……。
赤のアネモネには一樹はなれない。赤のアネモネの花言葉は、あなたを愛す。
一樹は、歌音と圭と一緒にその場から駆け始めた。
早く見つけないと双葉が危ないかもしれない。そんな不安に一樹はかられ、ドキドキする心臓が苦しく感じる。逆に言えば気持ち悪い。
一樹は、双葉とミミを助けられるのだろうか……。
一樹は、赤いアネモネの花言葉通りの事ができるのだろうか……。
どこにいるのだろうか……。
いつもミミがいるところを当たってみてが、全ての場所にいなかった。
双葉がいるところを当たったが、どこにもいない。
最後に思い当たったのが、自然公園。そこにならいると思い、一樹は早足で歩く。 今回は、歌音と圭に協力してもらうんだ。だから、どうしても二人を助けないといけない。一樹にできるのか? とにかく間に合え!!
自然公園歩いていくと二つの影を見つけ、一樹は、歌音と圭に隠れるように指示を出し、草むらに隠れた。