嵐の後
文字数 1,237文字
台風は通り去り、所々に嵐の爪痕を残していったみたいだ。
あちらこちらに藁が落ちてるり、気味が悪い……。頭の中に連想される藁人形を消し去ろうと歌音は必死にもがく。水に溺れた人を連想するのはやめて欲しい。
結愛は、松葉杖をついているが、骨折していなかったらしく、通常通りの生活を送っている。
歌音は、あの時許したはずなのに……まだ気にしているみたいだ。
とにかく、結愛を安心させないと……。
さて、歌音も本番に向けて最後の仕上げをしないとね……。
耳にヘッドホンをあて、指揮棒を持つ。iPodから「太陽のワルツ」が流れ始める。それに合わせて、指揮をとる。何か機械音が……。ノイズが……。
集中力はすぐに途切れてしまったのは言うまでもない……。
心配そうにする結愛を慰める一成……。
一成と結愛を見送る相馬先生を見つけた。相馬先生は少し呆れたような表情をしていた……。
むなしくドアがしまる音が響くのであった。