序曲「祝典」
文字数 1,205文字
歌音は、この日をずっと待ち構えていたのだ。
このミラージュ祭が始まるまでに、何回死にかけたことか……。
でも、生きてこの日を迎えられたことには、感謝しよう。
歌音の隣には、圭がもどかしそうに立っているのが分かる。
一体、圭は何を隠しているのだろうか……。
そこまで全力で否定してくるのは、余計に怪しい。
その頃には、序曲「祝典」が終わり、祭が本当に幕を開けていた。
歌音は、圭と一緒に町の方に出た。町もお祭りモードでたくさんの人がごった返していた。圭について歩いていたが、人が多くて流されそうだ。そんな時、人と接触し、歌音は圭と距離をとってしまう……。バランスを崩したのもあり、歌音は転けそうになる。ダメだ……転ぶ……!!
しかし、圭に手を掴まれ、転けることはなかった。
そのあと、圭に手を繋がれてやって来たのは、歌音が苦手なお化け屋敷だった。圭は、得意気に話し始める。
順番待ちの間、歌音は圭と色々な怪談話をした。
そして、歌音たちの番が回ってきたのであった。