故郷の空
文字数 2,030文字
低音楽器のswingからクラリネットのソロに渡る楽曲……。
このソロを茨城夕陽にやってもらう。トランペットやサックス・チューバなどのソロは、各パートのリーダーにやってもらおう。
とても有名な朝ドラで聞いたことがある人もいるだろう。
やるのは、来週のオープンキャンパスのステージでやることになった。
相馬先生がクラスに入ってくる。
今は、夕陽を助ける必要がある。
歌音は、指揮棒を持ち、教室をあとにした。
悠は、クラリネットパート全員の譜面を持って使用している教室に向かっていた途中だと言う。
悠は、歌音の事を認めていない。
しかし、関わる機会は増えている。
これは、大幅な進歩だ。
歌音は、絶対に夕陽のソロを完成させる……。心に強く決心を決め、歌音は指揮の練習に向かったのであった。
その日の放課後、ソロの練習をしている夕陽に会った。
そのサウンドには、音の強弱がなく、単調で面白味がないできになっていた。
歌音は、あの時何も出来なかった。悔しさが込み上げてくる。
しかし、夕陽の音はまだ沈んでいる。どうにかしてあげていかないと……。
まだまだ時間がある歌音がしっかりと見守っていこう、と決意する。
数日あれば、何とかなる……。
時には、美羽も参加してくれた。
日に日に夕陽のソロは、上達していったが、まだ元気がない……。曇った曇天の空……泣き出しそうな空……が広がっているだけであった。