契約結婚?!
文字数 1,865文字
普段、一成はこのような事をしない。別々のベッド、布団で寝ているのが分かる。
しかし、昨夜は酒を飲みすぎてグロッキーになった一成は、昨夜の記憶なんかなかった。
昨夜の情事を何となく思い出す。整った顔立ちの一成が近づいてきた時は、さすがの亜里沙もドキッとした。
この恋は、内緒の恋。学園側にも敵側にもバレてはいけない禁断の友情から発展した恋。
入浴中も亜里沙は、このドキドキを抑える事は出来なかった。
今日のご飯は、ふわふわとろとろの卵焼き、焼き鮭、ご飯、ルッコラのサラダが用意されていた。
それも仕方ない。
普段、一緒のベッドで寝ない一成と亜里沙が同じベッドで寝ていたのだから、動揺を隠せないのであろう。
このような事を教師である一成や亜里沙がしてはいけないもの……。
しかし、昨日に至っては判断力が鈍り、何をしたのかも覚えていない。二人からすると大きな不覚であろう。死亡フラグを何本乱立させたのであろうか……。むしろ、そこまで分かっていない。
亜里沙が一成を抱き締めて眠っていた理由さえも曖昧になっている。
誰にもバレてはいけないもの……。これからの戦いにも役に立つ行動を取ったのだから……。
朝食をとり終わった二人は、学園に向かう。いつもより二人の距離は近くもあり、遠くも感じるのであった。