黄色のバラと黄色のカーネーションとアネモネの花束(黄色のカーネーション編)
文字数 1,295文字
生きている意味って何だろう……。
ミミの吹くフルートに感情が込められているのかな? ミミは、ひたすら自問自答する。
双葉のピアノは、きらびやかな音であたしとは違う音楽性を持った天才でもあった。
そこでもう一人の少年とも出会う。彼は、一樹。違う小学校の同い年……。もちろん、一樹も天才だと言われていた。
ミミには、ピアノの才能は一切ない。双葉や一樹には才能があって、あたしにはない。
神様は、無差別だ……。ミミは、恵まれていない。
この時、ミミは双葉や一樹に嫉妬していたんだと思う。無差別な才能のせいで、ミミは恵まれないんだ……。
そんな時、声をかけてくれたのは、双葉と一樹だった。
そして、ミミは二人とは絶交する、って言ってしまったのだ。後悔している……。今でも二人とは同じクラスだけど……話しかけられない。双葉もミミを見ると、怯えたような表情をする。すごく腹が立つ。もう許さないから……。一緒に音楽を作り上げるなんて……無理な話だから……。
黄色のカーネーションの花言葉は、あなたには失望しました・拒絶・拒否・軽蔑……。
でも、今は違う。本当は失望していない。双葉と一樹を信用してあげたい。
なのに、自分の奥に潜む黒い感情しか沸き上がってこなくなった……。
どうして、こんなことになったのだろうか……。
ミミは、双葉へちゃんと思いを伝えられるのだろうか……。
ミミは、急に自分の衝動を抑えきれなくなり、部屋の縫いぐるみを床に投げ捨て、そのまま部屋を飛び出したのであった。