復讐の始まり
文字数 1,968文字
それを見つけたのは、渚と里紗だった。
見られた……。
歌音は、教室を出て保健室に向かうのであった。
歌音が教室に戻ると、ホームルームが始まっており、皆席についていた。事情を相馬先生に話し、歌音は自分の席についた。
やっぱりおかしい……。いつまで経っても悪意がなくならない。どういうことなんだろうか?
「勇者のマズルカ」のリズムもなかなかあってこない……。スネアドラムがずれている訳でもなければ、バスドラムとシンバルがずれている訳でもない。サスペンディッドシンバルがずれている訳でもグロッケン・シロフォンがずれている訳でもない。たった六人でこれだけの楽器を回しているのは凄い。
しかし、なかなか一体感が出てこない。
そういえば、香菜・真奈美・冬馬の目が赤い気がする。目の輝きも感じられず、濁ったような赤……。また、あの時と同じだ……。多分、香菜・真奈美・冬馬は、何者かに操られている。
しかし、何かがおかしい……。違和感しかない。
普通の恵都・美園は、気がついていないだろうけど、香菜・真奈美・冬馬には異変が起きている。悪意の発生源は、この三人からだ。何となく分かる……。
この時、気づかされる……。脅威はすぐそこにまで迫っていたのであった。
歌音は、三人を復讐心から解放してあげられるのか……。
歌音は、薄々と気づく脅威に怯えていてはいけない、と思わされるのであった。