作戦四日目②
文字数 2,188文字
さあ、妖精・精霊たちよ……踊れ。戦場を駆け巡る騎士・戦乙女よ、轟け……。この世界を守るために……新しい世界を作り出す為に音楽の中を旅しよう。歌音たちなら出来ることなのだから。
「マナティー・リリック序曲」の最初の音が響く。金管の威風堂々としたメロディーと木管のきらびやかな連符の掛け合い。今日は、いつもよりうまくはまっている気がする。これならいける。聡太の為に音楽を轟かせろ。
きらびやかで威風堂々たる音色の完成だ。
トランペットソロもぶれることなく、今まで以上の出来にクラスメイトたちは、驚きを隠せなかった。
歌音は、そのCDを詩織に渡すと、詩織はチューバの管から溜まった唾を処理し、ケースに片付け、チューバを担ぎ、そのまま講堂を飛び出していったのである。
時間は、有限だ。決められた時間で行動するしかないのだ。そう考えているのは、歌音と詩織だけではない。他にも考えている人はいたのである。
歌音は、それを見ていたが何故そうなったかなんて分からなかったのであった。