切り離された世界
文字数 1,491文字
これ、本体に戻れなかったら本気で死ぬんだろうな……。
一応、俺の声や感情は伝えられるみたいだが、本心では無いことまで答えていそうな気がする。
後は、これを信頼できる誰かに流せばいいんだけど……。ちょっと手遅れかもしれない。誰に伝わるか分からない状態にまで状態は悪いみたい。
鳴り響くサイレンや野次馬の声やらもう混乱に乗じる輩まで出てきているみたい。
とりあえず……里紗に全てを託すしかなさそうだ。その代わり、全ての情報を握っているのは俺しかいない。それを拡散し、こちらの味方を増やす事しか……。
本当はそんなこと思ってない。
もっと正確には“全国大会”に出たい、と思っている。もともと実力があるのに全てを抑制して“地区大会”で終わらせてしまっている事を知っている筈だ。どうして嘘をつくんだ。
このままだと取り返しがつかない事になるんだ。手遅れになる前に里紗の負の思考回路をどうにかしないと……。
もう何も考えたくない。ずっと眠っていたい。眠っていたら何も聞かなくて済む。雑音も何も入ってこない。その方が幸せだ。
そのまま全て闇に堕ちてしまえばいい。どうせみんな直近で死ぬんだし、どうでもいい。誰も救われない世界なんか滅びてしまえばいいんだ。