音楽の堕天使と音楽のフェアリーの喧嘩
文字数 1,348文字
月曜日……十月に入ってから朝晩は、冷え込むようになった。
朝、布団が恋しい季節が近づいていた。そう言えば、まだ歌音は衣替えをしておらず、制服も夏服だった。寒いのは当たり前だった。
2017/08/03 01:47
今日にでも衣替えをしようかな……
2017/08/03 01:50
よぉー、歌音!! おはよう!!
2017/08/03 01:51
うわっ、圭くん?!
2017/08/03 01:51
いきなり圭に後ろから抱きつかれた歌音は、前につんのめるが、何とか踏みとどまる。
そう、歌音にとっての悩みその一、圭のスキンシップが激しい、である。
ここ最近、圭のスキンシップが歌音にとっては心臓がもたない事が多くなってきているのだ。
その事は、悠もよく知っている。歌音が言いふらしているから……。
2017/08/03 01:52
最近、圭くん……スキンシップ激しいよ
2017/08/03 14:04
俺は、歌音の事友達として大好きだからな
2017/08/03 14:05
もう……そうやって人をはぐらかさない!!
2017/08/03 14:05
ちぇっ、良いじゃないか……
2017/08/03 14:06
そうやって拗ねない……。もう圭くんのパターン分かってきたよ。半年位一緒にいるからかな?
2017/08/03 14:06
俺も歌音が変態だ、ということが分かったぜ
2017/08/03 14:07
なっ……人間は皆変態よ!! 変態じゃない人間はいないわ!!
2017/08/03 14:08
確かに……。それにしても……
2017/08/03 14:09
その時だった。
どこからか強い恨みと悪意を感じ取った歌音は、学校の廊下で歩みを止めた。
圭も立ち止まった歌音を見て、廊下で立ち止まり、歌音の方を振り返る。
怒号……。誰かが怒っている。そして、誰かが悲しんでいる。歌音は、そう捉えたのだ。
見えたのは、堕天使がエンジェルを追い詰めている映像……。
歌音は廊下を走り、教室に駆け込んだ。
やっぱりだ。大河と郁が喧嘩をしていたのだ。
2017/08/03 14:10
ふざけんじゃねぇ!! 俺は、高山里紗に復讐しようとしているのに……。郁は、何故止めるんだ!!
2017/08/03 14:15
あたしは、里紗を傷つけたくない!! あの子の努力を見ているからあたしには分かるの。だから、復讐なんてしても誰も気持ちよくないよ……
2017/08/03 14:16
あいつは、俺を裏切った。そんなやつに生きている価値なんてねぇよ!! 高山里紗は、この世界を裏切った音楽家だ!!
2017/08/03 14:18
そんな事ない!! 里紗の事知らないあなたには分からない。もうあなたと付き合ってられないわ
2017/08/03 14:19
そうかよ!! 俺は、一人で高山里紗を自殺に追い込んでやるよ。そうすれば、このクラスも安泰だ
2017/08/03 14:21
あなたの考えが間違っていることを証明してやるわ。里紗は、このクラスには必要な人材だということを……
2017/08/03 14:23
大河と郁は、お互いにそっぽを向き、自分の席に腰をおろした。
歌音にとっては、とんでもなくヤバい展開だ。このままだと再びループしてしまう。
歌音は、圭にお願いをする。
2017/08/03 14:24
圭くん……お願い!!
里紗を自殺に追い込まないように、大河を押さえ込んでほしいの
2017/08/03 14:26
分かったけど……俺はあいつとそんなに仲がよくないぞ
2017/08/03 14:27
それでもいい。お願い、圭くん!!
2017/08/03 14:28
分かったよ。何とかする。その代わり、歌音
2017/08/03 14:29
絶対に死ぬような事はするなよ。俺の心臓が何個あっても持たないような事だけはやめてくれよ
2017/08/03 14:30
了解!! 今回もお願いね、圭くん!!
2017/08/03 14:30
かくして、歌音と圭の作戦は、この日を境に再び始まるのであった。
絶対に大河の復讐を遂行させてはいけない……という作戦が始まったのであった。
2017/08/03 14:32
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