わたしの存在意義 前編②
文字数 2,192文字
それは、良いことなのかわたしには分からないけど、少しでもみんなの為に前進出来る事なら、どれだけ危険な事でもやってみよう、と思えた。
今年の雪は、例年より多いらしく、二十一日から降り始めた雪は、今朝まで降り続いていた。どこの道を見ても、交通渋滞に陥っている車が目立っていた。
昴の事だからモブ体質で不幸体質が出ているのかな?
あの日以来、出るらしいのだ。
二年前の十月に開かれた学園祭の後夜祭の時に、この前焼け落ちた時計塔から転落して亡くなっている。
それが原因でありもしない噂が広がった感じ。今では、誰も近づかない心霊スポットになってしまった。
元々、わたしも昴も気が弱い部類に入る訳だし、触れる事も躊躇している訳だし、本当にこのままで良いのか? それは、分からない。
さすが大学。わたしたちと異なり、大人な感じがする。香水の香りが時折してくる。外では男女で楽しくおしゃべりをしているグループなども見かける。
わたしは、研究室にあった一台のパソコンの電源を入れる。誰もいない研究室を怪しい青白い光が点滅する。
これも心霊現象の一つだと言われている事なのだろう。
とてつもない膨大な情報量を処理し、この世界を終わらせる方法を集めていく。鴫沼准教授の事だから色々な研究をしていた事だろう。たくさんの研究資料がパソコンに保存されていた。
その中でわたしは、一つの研究資料に目を止めた。