音楽の女神のセレナーデ①
文字数 1,329文字
これは、圭から提案されたことだ。円陣を組めば団結力が上がる、とか……。
歌音は、この事に対しても納得がいっていなかった。一成と亜里沙の婚約について悩んでいたのだ。その事に支配され、歌音は面白くない……。
このような状態で指揮をしても邪念が籠ってしまうのではないか、という恐怖に恐れていたのであった。
歌音を心配した一成は、歌音を勇気づけようと話しかける。
今日の客の入りも上々だ。
歌音は、指揮台に登るとすぐに一拍目を振り下ろした。
吹奏楽で有名なナンバーで高校野球の応援楽曲でも使われていたりする。定期演奏会でも演奏されやすいこの曲を今回選んだのには、パーカッションパートの元気を取り戻すために選んだもの。
歌音は、コンガとボンゴの音色を聞き、冬馬と恵都に指示を出した。
歌音の動きも激しくなってき、その楽器が目立つように指揮をとる。フルート・ピッコロが立ち上がり、細やかな激しい舞を繰り広げる。フルート・ピッコロのパートは、歌音を認めていない人が多いのか、一体感はあまり感じられない。ミミが、歌音の指揮に合わせ、激しい踊りを吹き上げる。
吹奏楽の有名なナンバー。
そして、パーカッションパートを救った曲。