プリムラ
文字数 1,403文字
そして、恵都は美園に恋をしている……と思う。恵都は、一人の時間が大好きだ。
しかし、最近は一人で遊んでいても美園の事を考えてしまう。
恵都は、ついにおかしくなってしまったのか?
そして今、現にいうと今、美園はおかしくなってしまっている。これも恵都が美園の思いをあやふやにした責任……。多分、恵都が責められるだろう……。
しかし、今回のクラスメイトたちは違う。昔のクラスメイトみたいに失敗すると、バカにしたり殴ってきたり……。そんな人はいなかった。それだけは、恵都としては救いだった。冬馬も慰めてくれた……。
だから、このクラスの人や友人は、信用してもいいと思っている。
でも、恵都が告白すると……世界が滅びるかもしれない……。そう考えてしまう……。
歌音や圭も告白せずに、現状維持って奴をやっているから、恵都もそうすべき、と考えていた。
しかし、今回は現状が違った。
歌音が言う「死亡フラグ」とやらが気になる。圭も「へし折る!!」とその後に言っていた。
二人は、この先の未来を知っているのであろうか……。
一〇〇〇回以上死んで生き返ってを繰り返しているとは思わなかった。圭の言っていることや歌音が言っていることが正しければ、恵都はこの事件で多分、美園に殺された事になる。分からないけど……。
仙台市内を見下ろせる小さな丘の上にある公園にやって来た。花壇には、プリムラが植えられている。何でここなんだよ!!
恵都は、観念してそれ通りの行動をするだけだ……。
拡声器を片手に恵都は、ため息をつくのであった……。
花言葉は、青春の始まりと悲しみ・青春の恋。恵都にぴったりの花言葉だ。
これから、恵都はこの花言葉とおさらばするため、拡声器を持ち、丘の頂に立つのであった。