ひょうすべの誓い 節八拾七

文字数 304文字

 
 小早川家は秀秋の死後改易され、家中のものたちは、関ヶ原の裏切りのため評判が悪くどこにも仕官できなかった。小早川秀秋の松尾山から駆け下った突撃は、西軍の敗北を決定づけたが、最後まで

吉川広家も、まけずおとらず深刻な敗因だろう。
 
 なんといっても、南宮山に配されていた毛利軍は、小早川秀秋に並ぶ、西軍最大の戦力なのだ。――これが動いては、内府との約束に違背する……吉川広家は、毛利秀元の本軍に対して最先鋒に布陣。南宮山を降ろうとする毛利軍をせき止めつづけ、いくども出陣を催促されるも「霧が濃い」あるいは「これから弁当を食う」といった愚にもつかない言い訳をならべつづけ、最後まで山を下りなかった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み