ひょうすべの誓い 節八拾八

文字数 302文字


 ここでも、歴史が用意した痛烈な皮肉をみることができる。というのは、どうあっても動かぬ吉川広家に業を煮やして、長宗我部盛親と長束正家(まさいえ)の使者がやってくるのだ。長束正家は五奉行の一人で、本姓は大蔵氏――これは、秦氏のなかで大蔵の出納にたずさわったものが、この名を称したのだという……つまり、
 長宗我部盛親(秦氏)
 長束正家(秦氏)
 であり、
 
 毛利輝元がひょうすべの天下を賭して乾坤を一擲したこのたたかいにあって、決定的な裏切りを食い止めるべく……
 
 ひょうすべたちが催促しにきていたのだ……
 
 われらの時代をおわらせ給うな、と……
 
 この趨勢をおみちびきになられていた、兵主蚩尤へと、嘆願していたのだ――
 
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