まつろわぬ民 節十五

文字数 189文字

 兵主神社に、じょじょに、人が集まり始める。竣工したばかりの官幣社ながら、雨天でもあり、本来なら、参拝客などいないはずだ。
 かてて加えて、蚩尤が、平時、というより、戦時であり、兵事と言ってもいいくらいの、凶陰の気を発している。
 事が起こる――有事なのだと、自覚しているのだ。
 それなのに、この神社に集まってくる。足を向ける。それ即ち、(つはもの)に相違ない。
 兵神に仕える、兵主部(ひょうすべ)どもだ。
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