習合 節廿四

文字数 265文字

 雷神の飛び道具が、今度は、親王禅師から、徐福をつなぐ。(あっ)刷雄は、徐福が光を帯びるのを見る。まずい。三魂七魄を束ねねば、一瞬で火を吹く炭に……
 雷鳴が、間近で炸裂し、(うぐう)その烈波のみで、吹っ飛ばされそうになる。弾き飛ばされた道士は、とっさに魂魄を引きしめ、丹田に力を入れたのだろう、赤い道服から湯気を発しながら、「か、あ」と、息をする。玉の緒が散ることのみは避けたらしい。
 (う、うう)霊威が、(たか)い。なにをやっても届かず、人を呪わば、の、結果に終わる。
 親王禅師が、おもむろに、じゃらじゃらと、音高く数珠を揉む。揉む。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み