まつろわぬ民 節七拾八

文字数 308文字

 長岡こそ、

の京、きらびやかにして可視的な仏法が席巻した奈良時代から、大陸から渡来した仏教をはじめ文物の影響から脱する国風の確立――平安時代へ。
 その結節点(ノード)だ――平城京から、平安京……仏教の悠久から、千年の王都に移行するはざかい……長岡京は、そこに、浮沈している……
 もっと言えば、黎明の時代――古代的な夢から、新時代の夜明けに移行する、薄明の時間……
 薄闇にまどろみながら、薄明のきざしを感じる――種子(たね)の時間……
 だからこそ、だろう――(たね)は、(うし)から(いのしし)まで、十二支のそれぞれ植物の様態を示す漢字のひとめぐりを……はじまり(アルファ)から、おわり(オメガ)に帰結するまでのサイクルを、内包している――
 種は、終わりを知っているのだ。
 
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