まつろわぬ民 節百六

文字数 291文字

 機を見るに敏……としかいいようがない。ちなみに、千晴(秦氏)系の秀郷流では、他にも内藤氏が頼朝に味方している。
 秦氏が、全国に展開している――だから、一部がすたれても、ほかの一部が執念深く権力者に接近し、どこかで命脈を保つ……
 
 ともかく、ぜったいに絶えない。


 この一族の潜在的存在感が、現代のわれわれにもしばしば印象づけられるのも、当然だろう。
 彼らは源平の争乱を、生き抜いた。
 筋目に接近し家名を変え、時代時代にそぐう武家のよそおいをして――
 日の本に習合して……
 牛頭の神を奉じる彼らが、馬頭(めず)の鬼となって――
 ひょうすべは武士の時代に、適応した。
 いや、それどころか……
 
 
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