ひょうすべの誓い 節六拾二

文字数 467文字

 また、日本国を統一した秀吉が、東アジアを俯瞰するスケールで、中国を意識していた……そのくらいのことはじゅうぶんありそうである。
 そして、その視座に立てば、自然、この時代、活況を呈していた、環東シナ海の貿易が視界に入る……やはり、中国は偉大なのだ。日本の貿易の、最大の相手国――それは、明だった。明は、海禁政策をとっているが、それは世界的な現実とはそぐわず、密貿易者、それが凶悪化した海賊を生み出すことになった――ともかく、貿易は旨味が大きいのだ。商品を輸送することで、価格が数倍にも十数倍にもなる――その上、石見銀山が開発されてからは、銀不足で悩んでいた中国側は、対日貿易で百倍もの利益を上げられるようになっていた!
 それは、争って参入するだろう――法の目もかいくぐるだろう。
 当時、日本で南蛮貿易は、巨利を博するものとしてしられていた。ただ、これも、西洋の商品が日本にまで渡るのはまれで、ようは、南蛮商人を介して、中国と貿易をしていたのだという……
 やはり、大陸は巨大なマーケットなのだ――そのマーケットが、海禁でとざされている!
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