まつろわぬ民 節百十一

文字数 237文字

 西三坊大路とまじわった辻へ、秦氏の鬼は、さしかかる……
 
 平伏したひょうすべと、棒立ちになった

のかたわらを、ゆうぜんと、とおりすぎていく……
 
 (はた)、というその名前は、朝鮮の言葉で(パダ)にゆらいするともいう……
 まさしく、その名のごとく、威風堂々として――海鳴りのごとく……邈遠(ばくえん)より――
 
 それは、問いかけにこたえるために……
  われわれはどこからきたのか(ドゥ・ヴノン・ヌゥ)
 
 ひ、
 ヒ、
 ヒョー
 
 ひょうすべが鳴く――
 
  われわれはなにものなのか(ク・ソンム・ヌ)
 
 泣く……
 
 兵~
 
 と。
 
 
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