まつろわぬ民 節百十五
文字数 367文字
いかに雲上におはされるおかたであろうとも、そのお独りきりの
ことに、御寝のまま、御おもんぱかりにふけられる際など――
そのおかたは、板間に方正に敷かれた畳としとねの上……まさか
よも、この京洛をひたす運命の
いや、それは時流といってもよかろう――
寝耳に水、どころではない……
時勢は、王位を引きさらう凶猛な牙ともなろう……
万乗の君がお気づきになられぬはずがない……
そのうえで――
「
よかろう
」と、おっしゃられたのだ――
文字数 367文字
よかろう
」