習合 節卅一

文字数 222文字

 ふ、と、秦の道士も、片頬(かたふ)に笑みを浮かべた。大伴の軍事の血と、藤原の司祭の血、か。反逆者、藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)の子が、こうも、命がけで、京の地鎮に励む。この背理、追いつ追われつ、一筋縄では行かぬ綱があざなわれていくこの感じ。なにもかもが、一通りではすまぬ、人々の、筋目と個々人の思いがぶつかり合い、変容変節常ならず、最後には、初期の姿が跡形もない、思わぬ結果に行き着く、この生理。
 長岡京。
 変転と変更の角と角、辻と辻を経て、迷宮を脱する――
 
 
 
 
 
 
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