ひょうすべの誓い 節八

文字数 360文字

 いろいろな可能性が考えられる――関ヶ原以来、徳川に寝返ったものの、豊臣恩顧の家系もたくさんあっただろう。未勘、未だ考えず、などと切り捨てては、それらの大名の心をささくれ立たせ、いらぬ波風をおこすこととなる……それなら、神別姓の下でいいだろう。
 ただ、この場合、島津家の祖である惟宗氏より上に置いてやってもいい気がする。関ヶ原では、惟新斎(いしんさい)こと島津義弘が西軍で活躍しているのだから。
 格付けを様式化する江戸官制からすると、この記載順、江戸城詰間(つめのま)での席次と同じく、重要事のような気がする。だからこそ、ねこもしゃくしも清和源氏を名乗り出る……見栄と面子の世間なのだ。
 あるいは、当時の豊臣氏があわをくって、必死でおのれの氏族の出自をさぐり、まだしも、体面の保てる素姓を名乗り出た可能性もある。
 
 豊臣氏は、渡来人系です、と……
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