まつろわぬ民 節七拾七

文字数 356文字

 これで、秦氏の渡来と、それからの事跡……平安黎明に成された、苦渋の決断は語り尽くされたこととなる――
 ここで、物語を切るべきなのだろう――一度は暗澹たる未来に浸かったものたちが、どうにか、希望を抱けるところにまで持ち直した……
 祝着至極――
 それで、いいではないか――
 かつて、スティーブン・キングの小説で、ここでハッピー・エンドなのに、なぜ、これ「以後」を望む? そんなにバッド・エンドを見たいのか?
 サディストめ、と、作者自身にののしられたことがある……
 
 ああ、それでも。
 
 こう言わざるを得ない――神と仏と妖と(ぶつ)の物語は、いつだって、怪奇の暗闇と、目くるめく破滅につづられているのだ……
 破滅(ドーン)がお望みか?
 不滅(ドーントレス)を表題とするこの物語に……?
 
 ならば、ご覧ぜよ。
 
 絢爛なる――終わりのすがた!
 

 
 
 
 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み