まつろわぬ民 節卅八

文字数 384文字

 神功皇后が、キー・パーソンのようだ。
 彼女が実在したかどうかも疑問点が残るそうだが、皇室は推古天皇が「日出する処の天子より日没する処の天子に致す」というあの有名な書を送ったように、どうも、女性の方が、内外に強硬にのぞむ向きがあるように思われる。
 一説では卑弥呼のことではないかとも言われている。妙に、リアリティのある人物なのだ。
 兎も角、神功皇后が海を渡って三韓征伐におもむく。海外征伐、渡海の盛挙を祝す目的で、比売神(ひめかみ)、宗像三女神が習合したものと思われる。宗像氏は海洋豪族であり、三女神は「多岐津(たぎつ)姫(たぎる)」「市杵嶋(いちきしま)姫(しま)」「多岐利(たぎり)姫(たぎる)」、「(たぎ)る」という水沸く様を表現する言葉や、「島」に結びつく神号を持つ神々で、アマテラスの娘である。
 八幡神は、応神天皇が主神だという。だが、どうも、絢爛たる女神が主潮であり、この点も、神功皇后を色濃く反映している。
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