予告編
文字数 1,408文字
エリーナブルーがすっきりとした尻を向けて去っていく。
俺とシルクイエローだけが、深夜二時をまわり更にゴーストストリートと化した大阪府西成区のモール街に残される。今日もスパローピンクは現れない。すこしでも注目を受けていると転生されることはない……。
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夢月のフォークが止まった。
「ほんと?」
口からはみ出た麺を吸いながら逆に聞かれる。
「……今から本宮をぶっ潰しにいこう」
これは……圧倒的大正義の目だ。ふるい立たせる眼差しだ!
「そうしよう」俺は立ちあがる……。
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雑魚どものはずが、現実な俺が見るとコスチュームが筋肉で破れそうな体。その手にピストルが現れるし。
これはさすがに無理。手首を強く握られて悲鳴をあげてしまう。
「蛾は自力で転生できないから怯えるな。テロリストは精霊の盾をまとわない。加減しないと死ぬ」
助手席から制服のツインテールの女の子が乗りだしてくる……。
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「深川さん、お悩みのようですね。いくつになっても知恵はつかないものですか」
ジャージ姿の藍菜が足の間に両手を垂らし、前屈みで蘭さんをねぶるように見る……。
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茜音が奥の部屋に行く。薄地の白系パジャマだから紺色の下着が透けている。寝るときもブラをする系か。コンディションがいいので気にならないのだろう……。
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「格好いいな。彼女は原理主義に渡さぬから案ずるな。奴らの欲望を満たすのはお前だけ」
髪の毛をつかまれ顔を持ちあげられる。妖艶な笑みを浮かべるレイヴンレッドがいた……。
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「全責任は与那国司令官が持つ! 紅月、発射しろ!」
『だ、だとしでもかぐや姫でだよ! スーパーの姿じゃ駄目だよ! 上にだよ! みんな死ぬ!』
『やった! ひさしぶりの、十五夜!』
結界の向こうには平和な公園が広がっている……。
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白い深雪がよろよろと俺のもとに来る。ひざまずく。
「あっという間にひどい傷ですね。でも、あの人の言うとおりフォローしません」
ぼろぼろの深雪が微笑み――。
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『追って追われて、モスガールジャー』
相生智太は大学生。正義の味方に選ばれたまま、愛と戦いに明け暮れる夏休みが始まった。
「愛し愛され、モスガールジャー」の続編も始まる。
かわいこ戦隊モスガールジャーのエースであるスカシバレッド。彼女に転生するのは相生智太。彼はチームの元メンバーであるモネログリーンの追跡を命じられる。パートナーは、魔法少女雪月花の陸奥柚香。
彼の前に立ちはだかるのは布理冥尊五人衆。追跡のハウンドピンク。擬態のマンティスグリーン。そしてモスガールジャーのエースであったレイヴンレッド……。魔法少女にさえ危険な敵たち。攻守が激しく入れ替わる。追った敵に追われ、追われた敵を追いつめる。
相生智太の勝利の報酬は、女にもてまくること。でも、ソルジャーには邪魔なだけ。敵を倒すことしか考えない。女の子のことは多少考える。
美少女戦士に転生して報酬が性フェロモン。そんなシチュエーションであろうがシリアスに戦いつづける。そして彼はこう叫ぶ。
「仲間を愛し、妹や女の子たちも愛し、スカシバレッドこそを愛し、愛されながら日本の平和を守り抜いてやる!」
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称・地名等は架空であり、実在のものとは関係ありません。