第72話 あれ あれ あれ 27 お宝発掘 『ごん』 19 深掘り

文字数 1,497文字


 山田さんに『ごん』の創刊号から廃刊号まで4冊のあらゆる画像を送ってもらった。





 さて、これからいよいよ深掘りするぞ!
 
 と力んだところで、単なる感想に終わってしまうことは目に見えている。
 と言っても、ぼくには見えないんだけどね(笑)。
 ジョークとしては、かなりきわどいな。

 漫画月刊誌『ごん』が創刊された1968年は、前年に「週刊漫画アクション」(双葉社)や「ヤングコミック」(少年画報社)が発売され、同じ1968年には「漫画ゴラク」(日本文芸社)、「ビッグコミック」(小学館)、「プレイコミック」(秋田書店)が次々と登場していた。
 数年前に「大学生が漫画を読む」とニュースに取り上げられたが、大学生も普通に漫画を読む時代になっていた。


『ごん』の定価を150円に設定したのは、1964年に創刊された漫画月刊誌『ガロ』(青林堂)も、1967年に手塚治虫が虫プロ商事を設立して創刊した『COM』も150円だったからだろう。

 漫画月刊誌『ガロ』 1968年8月号  150円


          *表紙 白土三平

 作家陣は、「カムイ伝」の白土三平をメインとして、滝田ゆう・つげ義春・永島慎二・佐々木マキ・直野祥子等の異色作家たち。

 漫画月刊誌『COM』 1968年8月号  150円
 うたい文句は「まんがエリートのためのまんが専門誌 」


          *表紙 和田誠

 作家陣は、「火の鳥」の手塚治虫の他は、石森章太郎・東海林さだお・
永島慎二・矢代まさこ・小松左京・山上たつひこ等。


『ごん』の表紙には「ずばり! あしたの漫画!!」とクレジットしてある。

 
 

 作家陣は、大阪・京都在住の貸本マンガ出身者が多く、山上たつひこ・石原春彦・政岡としや・沼田 清・関 一彦等の作家が名前を連ねている。

 ちなみに、もとやま礼子は、当時大阪在住だった矢代まさこのアシスタントをしていた関係から、矢代まさこの引っ越しの手伝いに来た山上たつひこと出会い、そのことがきっかけで、『ごん』でデビューしたそうだ。

 もとやま礼子『少年たちに栄光あれ』



『COM』1968年9月号に『白い影』を発表。
 この作品で「第12回青春・実験まんがコース・月例新人賞」に入選している。


【参考】
 COM  1968年3月号   ページ数:220




 掲載作品
・火の鳥               手塚治虫
・ジュン               石森章太郎
・フーテン              永島慎二
・サンルームのひるさが        岡田史子
・漫画・まんが・マンガ・MANGA   久里洋二
・ゲストマンガシリーズ③
   小池さんの奇妙な生活      藤子不二雄
・まんがと私             安達瞳子/開高健/川津祐介/美濃部亮吉
・まんがに笑いの復活を        佐野美津男
・まんがジャーナル
・ストーリー漫画の文法論①
   擬声語・擬態語の論理      草森紳一
・海外まんが紹介           滝谷節雄
・わが原作作法            梶原一騎
・特集 まんがは芸術家!?  座談会 司会=尾崎秀樹
   …… 石森章太郎/尾崎秀樹/佐藤忠男/峠あかね
・戦後まんが主人公列伝(コックリくん)   金沢一
・手塚治虫作品リスト
・マンガニカ⑦              藤子不二雄
・ぼくのまんが記③            手塚治虫
・火の豚                 園山俊二
・第9回月例新人入選作発表
・COM新人賞募集
・名作劇場 狂った国境           手塚治虫
・ぐら・こん


 あれ あれ あれ 28 に続く。

 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み