14 浦山 稔  『ヤングコミック』大・大・大好き! 6 宮谷一彦

文字数 2,414文字







 宮谷一彦は『ヤングコミック』に17作品を描いているんだ。
 その多くが前衛的というか、実験的な作品が多いように思う。

レーサーの喪章は赤いバラの花(作:梶原一騎)(ヤングコミック、1968/4/23)
あいつとオイルと枯れ草と (ヤングコミック、1968/6/11)
蒼き馬の騎手  (ヤングコミック、1969/4/8)
命かれても・・・  (ヤングコミック、1969/5/13)
太陽への狙撃  (ヤングコミック、1969/7/22~9/9)
性葬者  (ヤングコミック、1970/3/24)
性蝕記  (ヤングコミック、1970/4/28)
日蝕   (ヤングコミック、1970/5/27)
夜霧の標的者  (ヤングコミック、1970/6/24)
輪舞   (ヤングコミック、1970/7/22)
黄金死篇(ヤングコミック、1970/9/23)
魔訶曼陀羅華曼珠沙華(ヤングコミック、1970/11/11)
あに おとうと(ヤングコミック、1970/11/25)
知内床旅情(ヤングコミック、1971/5/12)
風雲急身延山驚天童子(ヤングコミック、1971/6/9)
穴好人の子息 初夏の陽ざしぽかぽか(ヤングコミック、1971/7/14)
冒険王(肉弾人生 番外)(増刊ヤングコミック、1976/8/21)

 一方、競合する『プレイコミック』には、倍の35作品も描いている。
 こちらには、ストーリテーラーとしての才能を発揮している作品が多い。





ラスト・ステージ(プレイコミック、1970/1/24)
野獣に罠!(プレイコミック、1970/3/14、3/28)
荒野遥かに(プレイコミック、1970/4/25)
墓碑はいらない(プレイコミック、1970/6/27~8/22)
日本境界線(プレイコミック、1970/10/24~12/26)
からす かきのみ わたぼおし(プレイコミック、1971/2/27)
逃亡者(プレイコミック、1971/3/13)
蠅たちの宴(プレイコミック、1971/3/27)
抱きしめたい(プレイコミック、1971/4/10、4/24)
アリバイ売り少年旅行記(プレイコミック、1971/5/8)
柩は深紅の五リッター(プレイコミック、1971/5/22)
ジャンピン ジャック フラッシュ(プレイコミック、1971/6/12)
俺とお前 重い海の陽(プレイコミック、1971/6/26)
人力死行機(プレイコミック、1971/7/10)
青いとかげの街(プレイコミック、1971/8/14~11/13)
ぬくもり(プレイコミック、1971/11/27)
雪原より遠くはなれて(プレイコミック、1971/12/11)
破滅の滑走路(プレイコミック、1971/12/25、1972/1/8)
はっぴいえんど(プレイコミック、1972/1/22)
黄昏ドンキホーテ(プレイコミック、1972/2/12)
水鳥の浮かぶ哀し(プレイコミック、1972/3/11)
トーキョよいとこ一度は・・・(プレイコミック、1972/3/25)
地を這う双子座(プレイコミック、1972/4/8)
嘆きの仮面ライター(プレイコミック、1972/4/22)
ロック互重死(プレイコミック、1972/5/13)
気怠い旅立ち(プレイコミック、1972/5/27)
GIMME SHELTER 迷彩の鳩(プレイコミック、1972/6/10)
サンディドライバー(プレイコミック、1972/6/24)
野獣の死に様(プレイコミック、1972/7/8、7/22)
イカルスの罠(プレイコミック、1972/8/12、8/26)
残された者達(プレイコミック、1972/12/9)
THE BIG MAN(増刊プレイコミック、1973/1/20)
ワンペアプラスワン(プレイコミック、1973/1/27)
300キロも遠くへ(プレイコミック、1973/3/24)
神話時代(プレイコミック、1974/12/28)
ダビデの眠る日(プレイコミック、1975/1/11、1/25)

 比較すると作品の完成度は、ぼくからすると、『プレイコミック』のほうが高いんだ。
 でも、もっともレベルが高いのは、1作品しか描いていない『ビッグコミック』だ。





 古都に冬(ビッグコミック、1970/11/25)

 優れた作品は、作家と編集者のある意味、生命を削り合うような緊張感の中から生まれるんだろうな。

 岡崎 英生は、1971年に少年画報社を辞め、奥成達らと異魔人というグループを作り、タッチ社を創設、1971年9月に『月刊タッチ』(横広サイズ)を創刊(出版社・三崎書房)する。
<男のためのたった一つの月刊誌> 180円
『月刊タッチ』の表紙は上村一夫が描いている。




『月刊タッチ』には、『ヤングコミック』からの付き合いがある宮谷一彦、真崎 守、上村一夫等の作品を掲載している。
 この3人は、当時売れっ子だったんだよな。恐らく原稿料は、他の劇画誌よりも安かったと思うんだ。作家たちに愛されていたんだろうな。

 宮谷一彦は『月刊タッチ』で毎号描いていたんだ。


        *創刊号 1971年9月・1号



          *創刊号 「緑色なる花弁」1号


 11月号 (3号)には、安部慎一 も描いている。

 残念だけど、4号で廃刊となった。


        *廃刊号 1971年12月・4号


         *廃刊号 「蛍雪時代」 

 宮谷一彦『月刊タッチ』掲載一覧。
 緑色なる花弁 (タッチ、1971/9)
 大帝崩御   (タッチ、1971/10)
 風景     (タッチ、1971/11)
 蛍雪時代   (タッチ、1971/12)
 
 岡崎 英生は、2022年5月12日に5月12日に永眠、宮谷一彦も2022年6月28日、心不全により死去。
 あちらの世界で顔を合せて、こちらの世界でのあれこれを話しているかもしれないな。


 『ヤングコミック』大・大・大好き! 7 に続く。
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