第10話 準備は、わいがや 5
文字数 1,233文字
2023・10・29(日)
朝から、懸命に数十年前のことを想い出そうと、頭の中を探索していた。
ぼくの性格なら『紙くず』をきちんと分類して、ダンボール函に入れたはずだ。
(1)漫画関係。切り抜き、同人誌等。
(2)小説関係。切り抜き、
(3)映画関係。シナリオの切り抜き、パンフレット・ちらし・フライヤー等。
(4)写真関係。漫画の背景用に切り抜き、
(5)資料関係。雑誌・週刊誌・新聞等の切り抜き。
(6)その他。雑多な切り抜き。
こう考えてみると、20函以上はありそうだ。
問題は隠し場所で、大きく家の外か内かで分けると。愛着度からいって、(1)漫画関係。(3)映画関係。(6)その他。が家の中で、他は、物置に放り混んでいると思うんだ。
(6)その他。はエロ本なんかも入れたので、ぼくの部屋の押し入れにあるはずだ。
この函は絶対に妻に開けさせてはならない。
(1) 漫画関係。を探しだせばいいのだ。
目を閉じて念ずるように数十年前を思い出そうとしていると、
『七人の侍』のポスターを函にいれようか、手元に残しておこうかと迷っていたことを想い出した。
その時の状態の絵も浮かんできて、横に手紙を入れた小さな箱があったことも思い出した。
確か、漫画原稿は、封筒にいれた状態だったよな。
ここまで思い出すと、後は手紙の箱から、その封筒を探し出せばよかった。
記憶では、ほんの数枚だったんだけど、数えてみると13枚もあった。
さて、次の問題は、この漫画原稿を撮影することだ。
ここは妻に頼むしかない……。
想い悩んで次男に電話で祖横断した。
近くに住んでいるので、ちらっと家に寄って撮影してくれないかなと、下心はあるもののそれを目的に来てくれとはいえない。
「どれぐらいの精度で撮影しないといけないの?」
「ボケない程度でいいんだ」
「少しぐらいフレームからはみ出してもいいのなら、父さんにも写せるよ。何枚も撮ってその中から、選べばいいんじゃないかな」
それもそうだなと素直に思った。
文字は見えないけど大まかな形状はわかる。
これで撮影は何とかできるとして、問題はパソコンに取り込む方法だ。
アイパットの端子はUSBじゃないので、接続することは出来ない。
そのことを告げると、
「メールで父さんのパソコンへ送ることができるよ」
こともなげに言った。
家のタブレットは、二人の息子たちと共有というのか、一人が撮影すると、二人も観ることが出来るように設定してくれている。
だから、息子のタブレットから映像を選んでメール添付でパソコンに送信すればいいのだそうだ。
「じゃあ、これから撮影をするから、送ってくれ」
「これから出かけるから、夜になるけどいいかな?」
「ああ、それでかまわないから、頼んだよ」
夜に、ぼくが撮影した大量の写真が届いた。
あとは、この中から使えるものを探せばいいだけだ。
自分では何も出来ないんだけど、便利な世の中になったものだな。
準備は、わいがや 6 に続く。
朝から、懸命に数十年前のことを想い出そうと、頭の中を探索していた。
ぼくの性格なら『紙くず』をきちんと分類して、ダンボール函に入れたはずだ。
(1)漫画関係。切り抜き、同人誌等。
(2)小説関係。切り抜き、
(3)映画関係。シナリオの切り抜き、パンフレット・ちらし・フライヤー等。
(4)写真関係。漫画の背景用に切り抜き、
(5)資料関係。雑誌・週刊誌・新聞等の切り抜き。
(6)その他。雑多な切り抜き。
こう考えてみると、20函以上はありそうだ。
問題は隠し場所で、大きく家の外か内かで分けると。愛着度からいって、(1)漫画関係。(3)映画関係。(6)その他。が家の中で、他は、物置に放り混んでいると思うんだ。
(6)その他。はエロ本なんかも入れたので、ぼくの部屋の押し入れにあるはずだ。
この函は絶対に妻に開けさせてはならない。
(1) 漫画関係。を探しだせばいいのだ。
目を閉じて念ずるように数十年前を思い出そうとしていると、
『七人の侍』のポスターを函にいれようか、手元に残しておこうかと迷っていたことを想い出した。
その時の状態の絵も浮かんできて、横に手紙を入れた小さな箱があったことも思い出した。
確か、漫画原稿は、封筒にいれた状態だったよな。
ここまで思い出すと、後は手紙の箱から、その封筒を探し出せばよかった。
記憶では、ほんの数枚だったんだけど、数えてみると13枚もあった。
さて、次の問題は、この漫画原稿を撮影することだ。
ここは妻に頼むしかない……。
想い悩んで次男に電話で祖横断した。
近くに住んでいるので、ちらっと家に寄って撮影してくれないかなと、下心はあるもののそれを目的に来てくれとはいえない。
「どれぐらいの精度で撮影しないといけないの?」
「ボケない程度でいいんだ」
「少しぐらいフレームからはみ出してもいいのなら、父さんにも写せるよ。何枚も撮ってその中から、選べばいいんじゃないかな」
それもそうだなと素直に思った。
文字は見えないけど大まかな形状はわかる。
これで撮影は何とかできるとして、問題はパソコンに取り込む方法だ。
アイパットの端子はUSBじゃないので、接続することは出来ない。
そのことを告げると、
「メールで父さんのパソコンへ送ることができるよ」
こともなげに言った。
家のタブレットは、二人の息子たちと共有というのか、一人が撮影すると、二人も観ることが出来るように設定してくれている。
だから、息子のタブレットから映像を選んでメール添付でパソコンに送信すればいいのだそうだ。
「じゃあ、これから撮影をするから、送ってくれ」
「これから出かけるから、夜になるけどいいかな?」
「ああ、それでかまわないから、頼んだよ」
夜に、ぼくが撮影した大量の写真が届いた。
あとは、この中から使えるものを探せばいいだけだ。
自分では何も出来ないんだけど、便利な世の中になったものだな。
準備は、わいがや 6 に続く。