13 浦山 稔  『ヤングコミック』大・大・大好き! 5 宮谷一彦

文字数 1,355文字


 宮谷一彦を担当した編集者が書いた本がある。
『劇画狂時代―「ヤングコミック」の神話』岡崎 英生 2002/9/1





[目次]
 第1章 獣、この死に様を見ろ!
 第2章 青春球場
 第3章 麻生れい子薔薇色の裸身
 第4章 太陽への狙撃
 第5章 はみだし野郎の子守唄
 第6章 夜が明けたら
 第7章 性蝕記
 第8章 日本国マル秘分譲計画
 第9章 怨獄紅
 第10章 雨の少年、いつから棄てたの
 第11章 関東平野
 第12章 死、そして再会

 劇画がまだ「コミック」と呼ばれる以前の時代、とてつもなく過激なゲリラ雑誌があった―。 
 本書は、二度とめぐってこない、劇画黄金時代への鎮魂歌である。宮谷一彦、上村一夫、真崎守、青柳裕介、かわぐちかいじ、安部慎一、川本コオ、末永史、タイガー立石、高信太郎…数多くの天才劇画家を輩出した「ヤンコミ」のすべて。(「BOOK」データベースより)

『岡崎 英生(おかざき・ひでお』)1943年~2022年。山形県出身。
 早稲田大学仏文科卒業。少年画報社で漫画雑誌『ヤングコミック』編集部勤務。1971年退社。その後、劇画原作者、フリーライターとなる。
 宮谷一彦の実録漫画『ライク ア ローリング ストーン』には、本人役で出演している。





 ぼくがこの本を読んだのは、出版された時だから、もう20年前になる。
 めったに新刊を買わないぼくが即、購入したんだ。
 やっぱり『ヤングコミック』の名前に惹かれて買ってしまったんだよね。
 惚れた弱みだな。
 岡崎英生の名前は、上村一夫の原作を多く書いていたから記憶に残っていたんだ。
 (花言葉 ・夢師アリス、しなの川等)
 でも、『ヤングコミック』の編集者だとは知らなかった。





 漫画原作は、ほぼ上村一夫といってもいいようだ。
 花言葉 ・夢師アリス、しなの川 。『ヤングコミック』連載。
 阿部定    上村一夫 画・,戸川昌子 原作・岡崎英生 脚色。『漫画エロトピア』連載。
 高橋お伝  上村一夫 画・戸川昌子 原作・岡崎英生 。 漫画エロトピア』連載。
 本牧お浜  上村一夫 画,・川昌子 原作・岡崎英生 脚色。 『漫画エロトピア』連載。
 悪の華 = Les Fleurs du mal  岡崎英生 作・上村一夫 絵 。『漫画エロトピア』連載。
 夢二・ ゆめのまたゆめ    岡崎英生 作・上村一夫 絵

 1969年に上村一夫が『ヤングコミック』の表紙を描き始めた時、表紙の担当者が岡崎英生だったようだ。





 ぼくにとっては、無条件で貴重な記録なんだ。
 漫画とか劇画に興味がない人でも、当時の時代状況を感じることができると思うよ。





「劇画は大人を登場させ、大人の問題を取り扱う。物語の核となるのは…様々な欲望であり…セックス、金銭、暴力、社会的不正義などが要素となる。その表現は鋭角的であり、読者の漠然と信じている安定した世界を破壊し、感情を攪拌する…つまり少年漫画と違って笑いや安らぎのかわりに刺激を、慰めのかわりに興奮を提供しようとしたのが当時の劇画なのだ」
 

 





 でさ、この本を読むと、岡崎英生の宮谷一彦への愛がビシバシ伝わってくるんだ。
 でさ、でさ、思うんだけど、編集者と作家の関係じゃなくなってしまっているんだよな。
 

『ヤングコミック』大・大・大好き! 6 に続く。

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