第04話 始まりは、一斉メール 4 |
文字数 2,742文字
◆2023・10・23(月)
*
山田さん、たびたびお邪魔してすみません。
じつは、山田さんの4万冊の貸本漫画を元に、ぼくがいま『無花果(いちじく)』を投稿している【NOVEL DAYS】にコラムみたいなものを書くことを思いついたんですよ。
たとえば、貸本漫画のバラし方とか、作家別作品集の作り方とか、
やっているときは至福だったことを書いておきたいなと思うんですよ。
興味を持って読んでくれる人も少ないとは思うのですが、他の人からは無駄だと思われるあの時間があったからこそ、今のぼくが在るのだといえます。
それに、こんなことは『貸本漫画』の研究本や論文には書かれることがないですからね(笑)。
ちなみにぼくは、バラした漫画にキリで穴をあけて、タコ糸で綴じました。
鵜飼さんにも参加してもらいたいと思っていますが、まずは山田さんに検討してもらってからなので、話していません。
急に、『貸本漫画』愛があふれてきて、どうしようもないのです(笑)。
返事は急ぎませんので、検討願います。
*
余裕がないと思われるのはしゃくだから<返事は急ぎません>と書いたけど、頭の中ではすでに、こんなことをしたい。あんなこともしたい。と妄想が沸き上がっている。
落ち着かない。
いま、『無花果(いちじく)』を毎日、2回投稿をしているので、書くことはいくらでもある。でも、書き進めることが出来ない。
こんな気持ちは久し振りだ。
たとえでいうなら、ラブレターを出した相手からの返事を、いまかいまかと待っている時のような……。
でも、ぼくはラブレターを出したことないもんな。
誕生日プレゼントを買ってくる父親の足音を、いまかいまかと待っている時のような……。
でも、ぼくの父親はミお土産のひとつも買って来たことないもんな。
とにかく、落ち着かない。
『無花果(いちじく)』は、1回しか投稿できなかった。
*
浦山さん、今晩は。
少し誤解があるようなので、訂正させてください。
貸本は約3千冊程の所持です。新書版の単行本や月刊誌、週間誌、付録等が合わせて4万冊程で、計4万5千冊程の所持になります。
貸本が4万冊はいくらなんでも勘違いです(笑)。
記録して残しておくというのはいい考えですね。
色んな人達に 当時の漫画体験として製本をして楽しんでいた事を話しはするのですが、記録するという事は思いもしませんでした。
いい考えだと思います。
ぜひよろしくお願いします。
小学生の頃、本を残しておく本棚のスペースが限られていたので、少年サンデーが10冊くらい溜まったら本の留め金具をマイナスドライバーでコジ起こして、後ろの方から外していました。
その頃作った作品は『おそ松くん』『影丸』『サンダーキッド』『グリグリ』『アニマル1』『ターゲット』『ブルーゾーン』等があります。
作者わかります?
『少年』ではアトムの地球最後の日と地上最大のロボットの回を本誌と付録をくっつけて綴じてます。
貸本では永島慎二作品と矢代まさこ作品を中心に作って楽しんでいました。
貸本屋で載っている本を探し出してバラして4〜5作貯まると外した止め金具を伸ばして再利用して閉じていました。
今思うと、例えば永島作品の裏ページにつげ義春の作品の表紙があったり、表紙の前ページにはさいとうたかをのラストページだったりと、なんとバチ当たりな事をしていたのだろうと当時の自分に言ってやりたいです。
永島作品を優先していたのですね。
まだまだ色々ありますが、こんな感じだったら沢山ありますのでいつでもお気軽にお声掛けください。
*
おおっ、<少し誤解がある>の書き出しで、てっきり「誤解してますよ、私はそんな暇人ではありません」とかいって断られると思った~。
いやぁ、<少し誤解がある>の書き出しを、小説で使えるな。
ドキッとしたもんな。
メモして残しておくことにした。
それにしても、4万冊じゃなくて、4万5千冊!
ぼくが持っていた古書を5万冊にしておこうかな。どうせ手放しているんだから、数はいくらでも上乗せできるもんな。
妙な対抗意識が出てくる。これはコレクター魂ではなくて、コレクター病だよな。
それにしても、と再び思う。
4万5千冊を収納できる書庫って、どんだけ凄いんだ。
*
山田さん。
待ち望んでいたお返事で、嬉しいです。
貸本漫画が約3千冊というのも凄いですよ。
ぼくも永島慎二の作品集を2冊作ったんです。
ページの裏表に好きな漫画家がいると、迷うんですよね、
でもそのとき、ぼくの価値観で選ぶのだ!
と、なんだかその漫画家の運命を決める、まるで神にでもなったみたいな高揚感がありました(笑)。
では、質問に答えます。
『おそ松くん』 赤塚不二夫
『影丸』
『伊賀の影丸』なら 横山光輝
『影丸伝』なら 白土三平
『サンダーキッド』 久松文雄
『グリグリ』 つのだじろう
『アニマル1』 川崎のぼるの
『ターゲット』 ???
『ブルーゾーン』 石森章太郎 いや、途中で改名したから
石ノ森章太郎
悔しいけど、『ターゲット』は、わかりませんでした。
*
浦山さん
『ターゲット』は園田光慶です。
少年サンデーには『あかつき戦闘隊』もありました。
少年キングでは『赤き血のイレブン』ですね。
貸本では『アイアンマッスル』が有名です。
*
園田光慶は思い出せませんでした。
『貸本漫画』は『ありかわ・栄一』で描いていましたよね。
『ありかわ・栄一改め園田光慶』
と漫画の表紙にクレジットしてあるのを見た覚えがあります。
『かっこいいな』と思いました(笑)。
*
*
そうです!
『刑事』でもカッコイイ作品描いていました。
『ゴリラマガジン』等にも。
*
絵というか、線ガシャープでしたね。
なにか、デッサンが狂っていても許せるほどかっこよかった~。
*
時々ペンタッチを変えてストーリーに合わせて描いてたりしていたので、
すごいな〜と、当時思った事がありました。
*
それは気が付かなかったですよ。
そのことも書いてくださいよ。
実際の『貸本漫画』があれば、画像で説明できますし。
*
了解致しました。
キリがないので、今日はこの辺で終わりましょう。
お休みなさいです。ZZ Z
*
了解です。
いまから、鵜飼さんにメールを書きます。
では、お休みなさい。
*
気が付くと深夜1時近くになっていた。
今の話題を文学友だちに喋っても、あまり興味を惹かないだろうな。
これが、世に出ていない文学者についてのことだったら、少しは尊敬されるかもしれないけどなあと苦笑いをした。
*
山田さん、たびたびお邪魔してすみません。
じつは、山田さんの4万冊の貸本漫画を元に、ぼくがいま『無花果(いちじく)』を投稿している【NOVEL DAYS】にコラムみたいなものを書くことを思いついたんですよ。
たとえば、貸本漫画のバラし方とか、作家別作品集の作り方とか、
やっているときは至福だったことを書いておきたいなと思うんですよ。
興味を持って読んでくれる人も少ないとは思うのですが、他の人からは無駄だと思われるあの時間があったからこそ、今のぼくが在るのだといえます。
それに、こんなことは『貸本漫画』の研究本や論文には書かれることがないですからね(笑)。
ちなみにぼくは、バラした漫画にキリで穴をあけて、タコ糸で綴じました。
鵜飼さんにも参加してもらいたいと思っていますが、まずは山田さんに検討してもらってからなので、話していません。
急に、『貸本漫画』愛があふれてきて、どうしようもないのです(笑)。
返事は急ぎませんので、検討願います。
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余裕がないと思われるのはしゃくだから<返事は急ぎません>と書いたけど、頭の中ではすでに、こんなことをしたい。あんなこともしたい。と妄想が沸き上がっている。
落ち着かない。
いま、『無花果(いちじく)』を毎日、2回投稿をしているので、書くことはいくらでもある。でも、書き進めることが出来ない。
こんな気持ちは久し振りだ。
たとえでいうなら、ラブレターを出した相手からの返事を、いまかいまかと待っている時のような……。
でも、ぼくはラブレターを出したことないもんな。
誕生日プレゼントを買ってくる父親の足音を、いまかいまかと待っている時のような……。
でも、ぼくの父親はミお土産のひとつも買って来たことないもんな。
とにかく、落ち着かない。
『無花果(いちじく)』は、1回しか投稿できなかった。
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浦山さん、今晩は。
少し誤解があるようなので、訂正させてください。
貸本は約3千冊程の所持です。新書版の単行本や月刊誌、週間誌、付録等が合わせて4万冊程で、計4万5千冊程の所持になります。
貸本が4万冊はいくらなんでも勘違いです(笑)。
記録して残しておくというのはいい考えですね。
色んな人達に 当時の漫画体験として製本をして楽しんでいた事を話しはするのですが、記録するという事は思いもしませんでした。
いい考えだと思います。
ぜひよろしくお願いします。
小学生の頃、本を残しておく本棚のスペースが限られていたので、少年サンデーが10冊くらい溜まったら本の留め金具をマイナスドライバーでコジ起こして、後ろの方から外していました。
その頃作った作品は『おそ松くん』『影丸』『サンダーキッド』『グリグリ』『アニマル1』『ターゲット』『ブルーゾーン』等があります。
作者わかります?
『少年』ではアトムの地球最後の日と地上最大のロボットの回を本誌と付録をくっつけて綴じてます。
貸本では永島慎二作品と矢代まさこ作品を中心に作って楽しんでいました。
貸本屋で載っている本を探し出してバラして4〜5作貯まると外した止め金具を伸ばして再利用して閉じていました。
今思うと、例えば永島作品の裏ページにつげ義春の作品の表紙があったり、表紙の前ページにはさいとうたかをのラストページだったりと、なんとバチ当たりな事をしていたのだろうと当時の自分に言ってやりたいです。
永島作品を優先していたのですね。
まだまだ色々ありますが、こんな感じだったら沢山ありますのでいつでもお気軽にお声掛けください。
*
おおっ、<少し誤解がある>の書き出しで、てっきり「誤解してますよ、私はそんな暇人ではありません」とかいって断られると思った~。
いやぁ、<少し誤解がある>の書き出しを、小説で使えるな。
ドキッとしたもんな。
メモして残しておくことにした。
それにしても、4万冊じゃなくて、4万5千冊!
ぼくが持っていた古書を5万冊にしておこうかな。どうせ手放しているんだから、数はいくらでも上乗せできるもんな。
妙な対抗意識が出てくる。これはコレクター魂ではなくて、コレクター病だよな。
それにしても、と再び思う。
4万5千冊を収納できる書庫って、どんだけ凄いんだ。
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山田さん。
待ち望んでいたお返事で、嬉しいです。
貸本漫画が約3千冊というのも凄いですよ。
ぼくも永島慎二の作品集を2冊作ったんです。
ページの裏表に好きな漫画家がいると、迷うんですよね、
でもそのとき、ぼくの価値観で選ぶのだ!
と、なんだかその漫画家の運命を決める、まるで神にでもなったみたいな高揚感がありました(笑)。
では、質問に答えます。
『おそ松くん』 赤塚不二夫
『影丸』
『伊賀の影丸』なら 横山光輝
『影丸伝』なら 白土三平
『サンダーキッド』 久松文雄
『グリグリ』 つのだじろう
『アニマル1』 川崎のぼるの
『ターゲット』 ???
『ブルーゾーン』 石森章太郎 いや、途中で改名したから
石ノ森章太郎
悔しいけど、『ターゲット』は、わかりませんでした。
*
浦山さん
『ターゲット』は園田光慶です。
少年サンデーには『あかつき戦闘隊』もありました。
少年キングでは『赤き血のイレブン』ですね。
貸本では『アイアンマッスル』が有名です。
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園田光慶は思い出せませんでした。
『貸本漫画』は『ありかわ・栄一』で描いていましたよね。
『ありかわ・栄一改め園田光慶』
と漫画の表紙にクレジットしてあるのを見た覚えがあります。
『かっこいいな』と思いました(笑)。
*
*
そうです!
『刑事』でもカッコイイ作品描いていました。
『ゴリラマガジン』等にも。
*
絵というか、線ガシャープでしたね。
なにか、デッサンが狂っていても許せるほどかっこよかった~。
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時々ペンタッチを変えてストーリーに合わせて描いてたりしていたので、
すごいな〜と、当時思った事がありました。
*
それは気が付かなかったですよ。
そのことも書いてくださいよ。
実際の『貸本漫画』があれば、画像で説明できますし。
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了解致しました。
キリがないので、今日はこの辺で終わりましょう。
お休みなさいです。ZZ Z
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了解です。
いまから、鵜飼さんにメールを書きます。
では、お休みなさい。
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気が付くと深夜1時近くになっていた。
今の話題を文学友だちに喋っても、あまり興味を惹かないだろうな。
これが、世に出ていない文学者についてのことだったら、少しは尊敬されるかもしれないけどなあと苦笑いをした。