第09話 準備は、わいがや 4

文字数 2,092文字

 
 山田さんから、お宝画像が続々送られてくる。
 嬉しい事なんだけど、ぼくも早く「紙くず」を整理して、画像を送れるようにしないといけないんだよな。
 特にオマケの漫画原稿は、ぼくの切り札みたいなものだから、絶対に探し出さないとだねなんだ。

 浦山さん。こんにちは。
 みやはら啓一シリーズの画像を送ります。
 一冊づつがよかったら言って下さい。





 トップ社から全13冊出版されています。勿論全巻所持しています。
 日の丸文庫から二冊の計15冊の単行本があります。





 以前、浦山さんが仰っていたシーンはこのシーンでしょうか?





 シリーズ2巻目の『おいらの晴美ちゃん』のラスト名シーンです。子供達の心情をじっくり書き上げています。

 ぼくが10月19日(木)に出したメールで書いたので、探し出して画像を送ってくれたのだ。
 >みやはら啓一の絵で覚えているのは、島の岬だったかな? 
 何人もの子どもが座り込んで泣いているのを俯瞰で描いていたシーンです。
 出港する船に乗っていたひととの別れを嘆いていたのか、ヘリコプターに乗っている人だった かどちらかだと思うんですが。
 ぼくも子どもの仲間になって、悲しんでいました。

 山田さん。
 このシーンです!!!
『おいらの晴美ちゃん』のラスト名シーン。
 見開き2ページを使っていたんですね。

 この俯瞰の構図、まるで映画を観ている感じがしたんだろうな。
 船を見送る別れのシーンでしたか?

 このシーンは近所に住む姉弟が孤児院に引き取られる朝に、主人公たちが涙ながらお別れしているシーンです。

 船のシーンでは?
 との事ですが、『太陽への行進』で船の事故で亡くなった仲間を弔うシーンはありますが、小さなシーンです。
 この作品はダイナミックなシーンが多かったので、そう思い込んだのではないでしょうか?

 そうだったんですね。
 孤児院に引き取られる姉弟を近所の子供たちが、見送るシーンだったんですか?
 ぼくも『無花果(いちじく)』で、転校する同級生を駅で見送るシーンを書きましたが、これほどダイナミックに描写することは考えなかったです。
 クラス全員が見送くる感情の高ぶりをストーリィに組み込むことは、至難の業です。
 みやはら啓一さんには、よく泣かされたな。
 誰にでもある日常的なことを、大きな物語にすることが出来た稀有な才能があったのでしょうね。
  表紙を眺めていて思ったのですが、少女や青年が上を見ていますね。
 貸本漫画が衰退しているのに、と今から見ると思うのですが、みやはらさんは、作品に明るい 希望を託していたのかもしれませんね。
 子どものぼくも、多くの物語に希望を感じて今に至っているのかもと考えます。

13巻目の『掌の誕生』は、どうも地方都市で描いていたようで、地元の病院やデパートが出てきます。

 また、学生誌をとの事でしたが、あり過ぎて迷いましたが一応画像送ります。
 私が2歳半の頃から、六歳年上、五歳上、三歳上のいとこ達から譲ってもらった学年誌や雑誌付録等が本を集めるキッカケになって、現在に至っています。





 毎月読めるワケでなく、どれもこれも中途半端のまま読んでいましたので、話がどうなったかず〜とモヤモヤしたままでした。二十歳の頃マンガ専門の古本屋に出会いそこの古本目録に注文し出してその頃の本を買い求めているというワケです。

 学年誌には寺田ヒロオの『背番号0』、横山光輝の『五郎の冒険』、和知三平の『口笛探偵長』、益子かつみの『ロケット王子』などを夢中になって読んでいました。






 数年前に、みやはら先生にお会いした時『太陽への行進』にサインしていただきました。50年以上前からのファンでしたので本当に嬉しかったです。





 みやはらさんと、どんなことを話したのかを知りたいな。書いて欲しいです。
 今度、そのサイン本の画像を送ってくださいよ。
 いやぁ、いいものを見せてもらいました。
 ありがとうございました。
 これからもお願いします。
 浦山みのる

 「明日は明日の風が吹く」
 ぼくの好きなことわざなんだけど、
 明日になれば、状況も変わるんじゃないかなってこと。
「なるようになる」だ。
妻には「開き直るんじゃないわよ!」と、これまた怒られるんだけど、
「いやいや明日に期待を託しているんだよ」
 物事を深く考えないぼくの性格が、妻の不満をどんどん膨らんませて行くんだ。
だから、「なるようになる」「成り行きに任せる」は禁句なんだ。





 小さな女の子が、お母さんに「あしたって、ほんとうにあるの?」
 と、訊いたんだ。
 こんなこと聞かれたら、どきっとするよな。
 なんだか根源的なことを答えないといけないと身構えてしまう。
 お母さんは「どうして、そんなことをきくの?」と質問返しをしたんだ。
「あさ、目をさますと、いつもきょうなんだもん」
 いやぁ、子どもの感性ってすごいよな。

「明日は明日の風が吹く」と「寝覚めるといつも今日」は、似ているんじゃないかって思うんだ。
 朝起きると「紙くず」問題に光明がさすんじゃないかな。
 そうなることを願って、眠るってことにしよう。

準備は、わいがや 5 に続く。
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