第22話 顔

文字数 524文字

 1冊の本を購入した。
『この顔と生きるということ』
今は、興味があればネットで調べられる。購入できる。

 娘が小学校高学年のころ、生まれつきだか、ヤケドのあとだか目立つ女の子がいた。皆に好かれていた。真面目で明るい。
 私が娘に顔のことを言うとすごい剣幕で
「それがどうした?」
どうもしません。優しい娘だった。

 ○は生後5ヶ月で心臓の手術をした。胸には開胸手術のあと。
 年頃になったら悩むだろうと思っていた。しかし……平気だった。ビキニも着たし青春を謳歌した。遊び過ぎ。
 大学病院の教授が、子供は何人でも産めます、と安心させてくださった。
 ひとり産んで産後、体重も体型も戻らない。大丈夫なのか? 心臓に負担かかるよ。痩せなさい。

 *は男の子。脇に血腫? みたいのがあって毎月レーザーで治療に。なかなか小さくならない。握りこぶしくらいの大きさになった。病院に行くと……もっとかわいそうな子が。額に……女の子だ。

 数10年前、眼科に行くために乗ったバスの中の話、見たのは女性でした。異様な……顔。それを夫に話したら……

 夫は病院で降りる階を間違え、子供(・・)を見たそうだ。

 ネットで検索していたら、あったんです。ラオスの女の子の写真。寄付はすでに終わっていた。


 



 

 
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