第2話 自分の脳を見直した

文字数 743文字

 書き始めたのは30年以上前。当時は書いていた。原稿用紙に。鉛筆、消しゴム。辞書。長編だから原稿用紙の枚数も多い。1度、区のコンテストに出したが落選。かかってきた電話に原稿破棄をお願いした。

 費やした大量の時間は無駄にはならない。当時は漢字が書けた。ほとんどの漢字が書けた。
 やがてワープロの登場。当時10万円くらいしたが迷わず買った。原稿用紙をワープロに移す。大変な作業だった。その頃、どこのだかは忘れてしまったがコンテストに応募した。原稿用紙100枚の短編。ワープロで印刷。それもボツ。読んでいただけたのだろうか……?

 パソコンが我が家にくると、ワープロの調子も悪くなっていた。少しずつ移行しようと思ったが諦めた。大量のフロッピーはゴミになった。
 それでもパソコンのワードで綴っていた。パソコンの寿命は短い。新しいパソコンにCD-ROMを入れた。データなし……? 互換性? なにそれ??

 熱が覚めてしまった。執筆終了。20年くらいブランクがある。もう無理だろう……

 携帯をiPhoneに変えていろいろいじる。見つけた。pages 。それがおととしの9月。まさか投げ出していたストーリーが蘇るとは思わなかった。骨組みを打つ。携帯だからいつでもできる。加筆修正。
 どんどん増える。文字数が増える。夜中に、はかどる。夢中になる時間はあっという間に過ぎる。食べることもトイレも忘れる。

 脳ってすごい。20万字をほぼ暗記した。年老いた脳が。そして投稿。
 読んでくださる方がいる。細々とでもいい。ときどきは全話を一気に読んでくださる方がいる。
 最終話を読んで1話目に戻ってくださる方がいる。
 そのときの高揚感ときたら……
 ドラッグなんて目じゃないわ。
         (グレイスアナトミーより)

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