第110話 兄弟は他人の始まり
文字数 992文字
子供達が孫を連れて遊びに来た。3人の兄妹は今のところ仲がいい。夫の兄妹は遠くに住む。親が亡くなってからは冠婚葬祭でしか会わない。私の姉は近くに住み、一緒に旅行したりしている。義兄の姉弟は、やはり滅多に会うことはない。
友人の息子2人は仲が悪い。兄は有名大学を出たが、弟は自分探しのために中退……会うことは滅多にない。母は悲しいだろうな。一緒に育った子供達がほぼ絶縁……なんて。
就職した会社の研修で親しくなった友人は、独特な女性だった。母親を癌で亡くしていたので、父親と弟と住んでいた。家のことはおとうさんがやっていたので、家事のために早く帰ることもなかった。
話題が合った。文学も音楽も知識が豊富。私はいつでも痩せたかったが、彼女は太りたがっていた。胃下垂なのか、食べても太らなかったので羨ましかった。お金の使い方も違った。当時は給料もボーナスも若い娘にしては多かったはず……私は7年の間に相当貯め込んだが彼女はいつもお金がなかった。CDなど、買い方が違っていた。
太りたいから体質改善とか、断食道場(?)とかにも入ったりして、高額を払ったのではないか? 私が結婚して退職したあともしばらく付き合いはあった。
私の結婚式で、夫の友人と出会い一目惚れされた。しばらく付き合ったが、おとうさんに反対された。腕のあるコックだったが、水商売だと言われ反対された。友人もそこまでの気持ちはなかったのだろう。やがて別れた。私は子育てで忙しく連絡は途絶えた。
数年して電話がきた。
「あの人、どうしているかしら?」
まだひとりなら、お付き合いしようかと思って……あなたが振った男は結婚しました。
久しぶりに会った友人は、本社から営業所に移っていた。営業所の男の所長(妻子持ち)が優しくて……と話す。
やめなよ、妻子持ちなんて……
それからまたしばらくして会ったときには、父親が亡くなってしばらくたっていた。財産のことで弟と揉め喧嘩。家を売り、分けて絶縁。弟とは音信不通だそうだ。
妻子持ちの所長は異動になった。あろうことか、彼女は所長に金を貸していた。集金できなかった金を月内に立て替えたりした時に、頼まれたと言う。返すので、また貸した。結局は泣き寝入り。後悔していた。
自分が亡くなったあとのことを考えていた。そういう業者を調べてみよう、とか。
何年経つだろう? 定年退職しただろうか?
友人の息子2人は仲が悪い。兄は有名大学を出たが、弟は自分探しのために中退……会うことは滅多にない。母は悲しいだろうな。一緒に育った子供達がほぼ絶縁……なんて。
就職した会社の研修で親しくなった友人は、独特な女性だった。母親を癌で亡くしていたので、父親と弟と住んでいた。家のことはおとうさんがやっていたので、家事のために早く帰ることもなかった。
話題が合った。文学も音楽も知識が豊富。私はいつでも痩せたかったが、彼女は太りたがっていた。胃下垂なのか、食べても太らなかったので羨ましかった。お金の使い方も違った。当時は給料もボーナスも若い娘にしては多かったはず……私は7年の間に相当貯め込んだが彼女はいつもお金がなかった。CDなど、買い方が違っていた。
太りたいから体質改善とか、断食道場(?)とかにも入ったりして、高額を払ったのではないか? 私が結婚して退職したあともしばらく付き合いはあった。
私の結婚式で、夫の友人と出会い一目惚れされた。しばらく付き合ったが、おとうさんに反対された。腕のあるコックだったが、水商売だと言われ反対された。友人もそこまでの気持ちはなかったのだろう。やがて別れた。私は子育てで忙しく連絡は途絶えた。
数年して電話がきた。
「あの人、どうしているかしら?」
まだひとりなら、お付き合いしようかと思って……あなたが振った男は結婚しました。
久しぶりに会った友人は、本社から営業所に移っていた。営業所の男の所長(妻子持ち)が優しくて……と話す。
やめなよ、妻子持ちなんて……
それからまたしばらくして会ったときには、父親が亡くなってしばらくたっていた。財産のことで弟と揉め喧嘩。家を売り、分けて絶縁。弟とは音信不通だそうだ。
妻子持ちの所長は異動になった。あろうことか、彼女は所長に金を貸していた。集金できなかった金を月内に立て替えたりした時に、頼まれたと言う。返すので、また貸した。結局は泣き寝入り。後悔していた。
自分が亡くなったあとのことを考えていた。そういう業者を調べてみよう、とか。
何年経つだろう? 定年退職しただろうか?
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