第187話 温暖化か寒冷化か
文字数 2,391文字
実はこれを調べたのは1年以上前のこと。
現代が氷河期になる話をSFではなく『現代ドラマ・社会派』に投稿していた作品を読んで、興味を持ったのでした。
その前に映画『デイ・アフター・トゥモロー』を観たときも、図書館で異常気象の本を借りて読みましたが。
前回のラスト
この100年間、太陽の黒点数が減っていて太陽活動の低下が心配されており、2030年には寒冷化が始まるという予想をしている学者も多くいる。
太陽黒点と地球の気温との関係は置くとしても、2010年代以降、世界各地で異常気象による災害が相次いでいるのは確かである。
日本では台風や大雨による被害が多発しているが、米国や欧州でも同様である。
地球温暖化が原因である、とする声も大きくなっているが、直近の自然災害が多発している直接の原因は偏西風の蛇行である。
✳︎偏西風
偏西風は、南北両半球の中緯度域の上空10キロメートルほどの高さを、西から東に、基本的にはほぼまっすぐに吹く風である。
地球が自転していることなどによって発生する気流で、1年を通じて中緯度域でほぼ常に吹いている。
強いところでは秒速70〜80mほどにも達する。
飛行機は偏西風に乗って飛ぶと早く目的地に着くし、逆らって飛ぶと燃料を多く消費する。
この偏西風が通常の経路から南北に蛇行することがあって、そうすると普段は暖かいはずの地域が寒くなったり、寒い地域が暖かくなったりする。
ある条件が揃ってその蛇行幅の大きな状態が一定期間続くと、異常気象の発生につながる。
稀に起きるとされていた偏西風の蛇行が、このところ常態化している。
偏西風の蛇行による異常気象の典型は、日本の夏に酷暑をもたらすダイポールモード現象である。
ダイポールモード現象とは、インド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる現象のことだが、エルニーニョ現象と同様に世界の気候に大きな影響を与えることが明らかになっている。
偏西風の蛇行が頻発しているのにもかかわらず、その原因はよくわかっていない。
熱圏の変化が影響しているとの説がある。
熱圏とは地球の周りを取り囲む大気層の一つであり、地上から80kmから500kmの上空に存在する。
この熱圏が最近薄くなっており、これに太陽の無黒点状態が関係しているのかもしれないという。
活動が弱まっている太陽から地球に降り注ぐ紫外線の量が少なくなることから、大気中でイオン化する窒素や酸素が減少する。これにより熱圏が縮小するというわけである。
太陽の無黒点状態が偏西風の蛇行という現象を介して地球各地で異常気象をもたらす大元の原因かもしれない……
✳︎
しかし、投稿する前に検索してみたら、なんと……
このところ太陽はとても元気なのだ……
https://novel.daysneo.com/sp/works/episode/088d0b8c80d30a4a8a5d55ef2743afd6.html
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/162.html
https://kabbara.jp/blog/b0113/
✳︎温暖化か寒冷化か
太陽の黒点の数が少なくなると地球に到達するエネルギーも小さくなる。
2021年あたりまではたしかに太陽活動の目安となる黒点が少ない状態が続いていた。
太陽の黒点が少ない周期を極小期という。
黒点がほとんど観測されない時期に、ロンドンのテムズ川が凍り付くなど、各地で寒冷化を示唆する記録が残っている。
このため、太陽黒点との関連性に紐付けたようなものが見受けられた。
地球が受け取る太陽エネルギーの量は、11年周期で小さなアップダウンを繰り返しており、1950年代以降、純増はしていない。
その間に地球の気温は著しく上昇している。
NASAでは、20世紀半ばから観測されている地球温暖化の原因は、人間の活動にあると表現している。
過去の気候変動に太陽は影響を与えてきたが、現在の温暖化は太陽では説明できないとしている。
では、では? やはり、温暖化、異常気象のあとには?
究極の質問である。
「雨風で苦しめられる南国の島々と、雪ばかり降り積もるシベリアのツンドラ地帯とどちらに住みたいか?」
現在の異常気象の常態化は、氷期に突入した兆しかもしれない。
温暖化が叫ばれる昨今であるが、地球の気候は氷河時代と、北極や南極を含めて地球上に氷床が存在しない温室時代を繰り返してきた。
氷河時代はさらに寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期に分かれており、私たちは約4900万年前に始まった新生代氷河時代の中で1万1600年前に始まった間氷期の下で生活している。
間氷期は温かいだけではなく気温の変化が少なく安定しているのに対し、氷期は寒いだけでなく寒暖の差が激しく気候全体が不安定であることがわかってきていることから、最近の異常気象の多発は地球が氷期に逆戻りする証左ではないか?
人類が温室効果ガスを放出することで、次の氷期を先延ばしにしているのかもしれないが、過去の間氷期の長さから勘案すると、地球はいつ氷期に戻ってもおかしくない。
地球の気候が、今後温暖化するのか、寒冷化するかは定かではないが、私たちの子孫はこれまでとは異なる厳しい気候環境の下で暮らしていくことになるのではないだろうか。
https://novel.daysneo.com/sp/works/episode/088d0b8c80d30a4a8a5d55ef2743afd
4歳の孫が、生きているのが楽しそう。
「お友達、たくさんいるんだ」と言う。
連日の猛暑、日中外では遊べない。
この子が私の歳になる頃、地球はどうなっているのだろう?
現代が氷河期になる話をSFではなく『現代ドラマ・社会派』に投稿していた作品を読んで、興味を持ったのでした。
その前に映画『デイ・アフター・トゥモロー』を観たときも、図書館で異常気象の本を借りて読みましたが。
前回のラスト
この100年間、太陽の黒点数が減っていて太陽活動の低下が心配されており、2030年には寒冷化が始まるという予想をしている学者も多くいる。
太陽黒点と地球の気温との関係は置くとしても、2010年代以降、世界各地で異常気象による災害が相次いでいるのは確かである。
日本では台風や大雨による被害が多発しているが、米国や欧州でも同様である。
地球温暖化が原因である、とする声も大きくなっているが、直近の自然災害が多発している直接の原因は偏西風の蛇行である。
✳︎偏西風
偏西風は、南北両半球の中緯度域の上空10キロメートルほどの高さを、西から東に、基本的にはほぼまっすぐに吹く風である。
地球が自転していることなどによって発生する気流で、1年を通じて中緯度域でほぼ常に吹いている。
強いところでは秒速70〜80mほどにも達する。
飛行機は偏西風に乗って飛ぶと早く目的地に着くし、逆らって飛ぶと燃料を多く消費する。
この偏西風が通常の経路から南北に蛇行することがあって、そうすると普段は暖かいはずの地域が寒くなったり、寒い地域が暖かくなったりする。
ある条件が揃ってその蛇行幅の大きな状態が一定期間続くと、異常気象の発生につながる。
稀に起きるとされていた偏西風の蛇行が、このところ常態化している。
偏西風の蛇行による異常気象の典型は、日本の夏に酷暑をもたらすダイポールモード現象である。
ダイポールモード現象とは、インド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる現象のことだが、エルニーニョ現象と同様に世界の気候に大きな影響を与えることが明らかになっている。
偏西風の蛇行が頻発しているのにもかかわらず、その原因はよくわかっていない。
熱圏の変化が影響しているとの説がある。
熱圏とは地球の周りを取り囲む大気層の一つであり、地上から80kmから500kmの上空に存在する。
この熱圏が最近薄くなっており、これに太陽の無黒点状態が関係しているのかもしれないという。
活動が弱まっている太陽から地球に降り注ぐ紫外線の量が少なくなることから、大気中でイオン化する窒素や酸素が減少する。これにより熱圏が縮小するというわけである。
太陽の無黒点状態が偏西風の蛇行という現象を介して地球各地で異常気象をもたらす大元の原因かもしれない……
✳︎
しかし、投稿する前に検索してみたら、なんと……
このところ太陽はとても元気なのだ……
https://novel.daysneo.com/sp/works/episode/088d0b8c80d30a4a8a5d55ef2743afd6.html
https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/fuji-kazuhiko/162.html
https://kabbara.jp/blog/b0113/
✳︎温暖化か寒冷化か
太陽の黒点の数が少なくなると地球に到達するエネルギーも小さくなる。
2021年あたりまではたしかに太陽活動の目安となる黒点が少ない状態が続いていた。
太陽の黒点が少ない周期を極小期という。
黒点がほとんど観測されない時期に、ロンドンのテムズ川が凍り付くなど、各地で寒冷化を示唆する記録が残っている。
このため、太陽黒点との関連性に紐付けたようなものが見受けられた。
地球が受け取る太陽エネルギーの量は、11年周期で小さなアップダウンを繰り返しており、1950年代以降、純増はしていない。
その間に地球の気温は著しく上昇している。
NASAでは、20世紀半ばから観測されている地球温暖化の原因は、人間の活動にあると表現している。
過去の気候変動に太陽は影響を与えてきたが、現在の温暖化は太陽では説明できないとしている。
では、では? やはり、温暖化、異常気象のあとには?
究極の質問である。
「雨風で苦しめられる南国の島々と、雪ばかり降り積もるシベリアのツンドラ地帯とどちらに住みたいか?」
現在の異常気象の常態化は、氷期に突入した兆しかもしれない。
温暖化が叫ばれる昨今であるが、地球の気候は氷河時代と、北極や南極を含めて地球上に氷床が存在しない温室時代を繰り返してきた。
氷河時代はさらに寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期に分かれており、私たちは約4900万年前に始まった新生代氷河時代の中で1万1600年前に始まった間氷期の下で生活している。
間氷期は温かいだけではなく気温の変化が少なく安定しているのに対し、氷期は寒いだけでなく寒暖の差が激しく気候全体が不安定であることがわかってきていることから、最近の異常気象の多発は地球が氷期に逆戻りする証左ではないか?
人類が温室効果ガスを放出することで、次の氷期を先延ばしにしているのかもしれないが、過去の間氷期の長さから勘案すると、地球はいつ氷期に戻ってもおかしくない。
地球の気候が、今後温暖化するのか、寒冷化するかは定かではないが、私たちの子孫はこれまでとは異なる厳しい気候環境の下で暮らしていくことになるのではないだろうか。
https://novel.daysneo.com/sp/works/episode/088d0b8c80d30a4a8a5d55ef2743afd
4歳の孫が、生きているのが楽しそう。
「お友達、たくさんいるんだ」と言う。
連日の猛暑、日中外では遊べない。
この子が私の歳になる頃、地球はどうなっているのだろう?
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