第182話 介護、介護の世の中で

文字数 1,140文字

 
『181話 誰が断を下す』に星をいただいた。もしかしたら減るのでは? と思っていたのだが。少し前に投稿しようとしてためらっていた。かなり勇気がいった。銀座を何メートルか裸で歩くくらいの勇気。
 Yahooニュースでイヤな記事を読んだあとだったので勢いで投稿してしまった。

『誰が断を下す』はチャットノベルに投稿する歌を探していて見つけた、友川カズキさんの『トドを殺すな』という歌詞の中のフレーズ。
 金八先生の第1シリーズで「かきむしられるような歌だねえ」と呟いたのを覚えていた。知る人ぞ知るすごい歌手だ。頭の中で鳴っている。

 終わりの短歌は『誰が断を下す』を検索すると出てきた。短歌など読まないし、作者も知らない。意味することは違うのかもしれないが、自分が感じたとおりでよいのだとか……

 しかし、これからは産まない選択肢をする人が増えるのだろう。施設の若いスタッフは言う。「私、結婚しませんから……子供いらないですから。今の世の中で育てていく自信ありませんから」
 ゼリー食で生かされている人を見て、ああはなりたくない、長生きしたくない、70歳くらいで死にたい……と。
 私に言わないでください。70歳なんてすぐなのだから。

 友人が大変なことになってきた。私より5歳くらい年下で、今の施設がオープンした時から一緒に働いている。彼女は朝夕3時間ずつ週4日勤務。ひとまわり年上の旦那様とは結婚40周年だから、旅行でも……なんて話していたのだが。

 まず、90歳すぎたおかあさんが施設に入っているが、この間入院した。おにいさんと同居していたので、手続き等はすべておにいさんがやってくれた。お金も友人に負担はかからない。しかし、そのおにいさんが手術した。2度に分けてやるのだとか。
 おにいさんの奥さんが、まだ70歳を過ぎたばかりで認知症。こちらも施設に入っていたが亡くなった。友人の誕生日に葬式。術後のおにいさんはなんとか葬儀に出席した。
 ところが、そのあとの2度目の手術で下半身に麻痺が。医者の説明があったという。おにいさんはひとり暮らし。これからどうするのか? ふたりの姉は遠くに住み、姪はひとりっ子で子供が5人。下はまだ小さいそうだ。茫然自失……

 常勤さんも介護ものために仕事を辞めて実家に戻った。高校を卒業してから30年以上、独り身でマンションまで買ってあったのに引き払い、離島に帰り親の介護。
 もうひとりの常勤さんも先日母親が亡くなり(こちらも認知症で大変だった)父親がひとり残されたので帰ることにした。介護には慣れているだろうが。

 別の友人に話したら……

 一寸先は闇。楽しめる時に楽しんでおきましょう。自分の不幸な時の糧になるような幸せのカケラを少しずつ貯めておきたいものです。


 
 





 
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