第20話 アルゼンチンタンゴ

文字数 702文字

 この間、テレビのクラシック番組でピアソラを取り上げていた。初めてピアソラを聴いたのは20年近く前、コマーシャルでリベルタンゴが流れていた。すぐに買った。ヨーヨーマのCD。

 アルゼンチンタンゴは以前ブティックで一緒に働いてた方が習っていた。きれいな人だった。彼女は講師になり活躍している。もうネットでしか見られない。ダンスフェスティバルはコロナのため中止、か。

 いままで見た女性の中で1番きれいな人だった。客も彼女が休みだと、
「あの、美しい方は?」
と聞いた。美しい方は何を着ても似合う。顔立ちがいい。でも黒が1番似合うと言われるそうだ。努力もしていた。毎日マッサージを欠かさない。前の日、食べ過ぎたら昼はみかんひとつ、とか。軟骨の焼き鳥を買ってきて食べていた。コラーゲン。
 枕は使わない。首に皺ができるから。夏は焼かない。色が真っ白。
 お尻と腿は別なのよ……言われた。すでに境界はなかったか? 体操を教えてくれた。靴を脱いで。腕の振り袖肉を引き締める体操。

 ピアノはかなりの腕前。バッハの平均律が面白い、とか言ってた。オペラも好きだと。歌は聖子ちゃんを。うまかった。こっちはその他大勢で『鬼のパンツ』

 なぜ、あなたみたいな人がこんなところに?
 私があげたインスタントのお汁粉を喜んで食べた。〇〇屋の牛丼を買ってきて食べていた。私は買いにいけなかった。それまで、ランチをひとりでいったこともなかった。
 彼女は立ち食いそばも焼肉屋もひとりで入れる、と。
 妹さんと高級レストランにいった話をしてくれた。
 妹さんに作らせたお弁当を持ってきたことがあった。
 妹さんは、元タカラジェンヌ。その旦那様はテレビで活躍中。
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