第52話 下調べと異性の気持ち

文字数 1,136文字

 最近投稿された作品。実は間違えて開いてしまったのだ。よくある。眠くなった時にやってしまう。
 開けたからには紹介文を読む。
『暴力苦手な方はスルーしてください』
はい、そうします。しかし、数行は読もう。開けたのも何かの縁。文字数を見て驚いた。1話20000字? 
 ちょうど、pv数に囚われていた。自分の初めての投稿も1話が1万字前後。最近書いているものは千字前後。それがpv数を稼いでくれる。
 この方は? pv数などどうでもいいのか?

 数分後(?) には読み終えていた。実話を元にした物語。鬱々と救いがない。実話だから結末を変えるわけにはいかないだろう……いかないだろう? いかないだろう……
 この方の作品を次々読んだ。え? 記憶障害? 頭が変……真似したらダメだろうか?

 何作目かに読んだのは、また全然違う……犬が出てきた途端に嫌だった。犬の物語は泣いてしまうから嫌なのだが。
 この方の作品は読むたび長くなる。今度は何字? 開けて驚く。1話14万字? なぜ分けない? 50話くらいに。
 それはさすがに躊躇した。1日、2日は数行だけ。3日目には一気に読み終えた。テーマが、好きな分野だ。自分でも調べたことがある。地球温暖化のあとには○○期が。映画を観ていた。
The day after tomorrow
 その内容が年々現実になってきている。異常気象。ではあの映画の結末は真実なのか? 実際に来るのか? そういう未来が? 
 はやりの昆虫食が高タンパク質源に。不快害虫も雌雄同体の軟体動物も?

 この作者は専門家? 趣味の域か? 趣味レベルは超えていると思うのだが。どれほどの下調べを? 

 比べて自分はどうだろう? 昔は図書館で調べた。今はネットで調べられる。ほとんどヒットする。
 たとえば武道のことはわからない。リストカットも自分ではわからない。コンクールも虐待もエイズも……ネットで調べるだけ。時々は本を取り寄せる。あとは長い経験のみ。

 また投稿された。今度のは、暴力も犬も出てこない。近未来ではない。現代の男と女の不倫。
 作風、雰囲気が全然違う。こんなに違うものを書けるなんて……

 下調べしても歳を重ねても到底わからないのが異性の気持ち。異性のセリフや行動を書くのは不安だ。想像で書くのは怖い。過去に誰かが話したことをたぐり寄せる。あとは本やドラマや映画、漫画。
 あの場面で何を言った? 

 印象の深いセリフを言った男性がいた。夫の友人。年始の挨拶に来た。よそも回ってきたのでかなり酔っていた。彼は結婚を考えていた。年上の、子どもがふたりいるバツいちの女性と。彼の方は初婚だから反対されているのだろう。酔って本音が出た。
「あの女となら死ねるからな」

 いくつになっても忘れない。
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