第177話 添い遂げ……ない

文字数 1,525文字

 次女の知り合いにネイリストがいる。次女が飲みに行った店で知り合ったシングルマザー。旦那と別れた彼女は、小さな子供を置いて飲みに来ていた。
 次女はネイルの練習や試験の時、ハンドモデルを頼まれた。始めた時は、ネイルで食べていけるようになるとは思わなかったが、今では店を出し人も雇っているという。
 
 その娘が小学校低学年のころ、母親が出かけるので次女が預かることになった。我が家に連れてきて遊ばせていた。メガネをかけたおとなしそうな子だった。

 それが、今では大変らしい。高校は辞めてしまい、母娘喧嘩。警察沙汰、カウンセラー。
 今はネイルを習っているが、まだ荒れている。
「どうしようもないんだ。親も親だけどね」
と一児の母になった次女は言う。我が娘もどうしようもない娘だと思っていたが。

 次女も時々、2歳の子どもを置いて飲みに行く。パパがみていてくれるそうだ。
 先日飲んで帰って鍵を開けたら、ドアガードがかかっていた。子どもが最近小さな椅子に乗っていじるのだ。パパは確認しないで寝てしまった。電話をかけてもなかなか起きない。
 トイレも行きたい。延々と電話すること30分。ようやくパパは気が付いた。

 次女の夫は4人姉弟。両親は離婚している。父親は家に帰って来なくなった。次女の夫は歳の離れた妹にミルクを作って飲ませた。幼稚園に迎えにいった。明るく働き者だ。よく働きよく遊ぶ。節分には鬼の格好をして帰り、孫は大泣きした。
 おとうさんが心臓の手術をした。手術前に集まったのは、次女と旦那とお姉さん夫婦の4人。弟、妹、おかあさんは来なかった。退院の迎えに行くのも次女の旦那だ。おとうさんは還暦のひとり暮らし。優しい息子だと思う。

 私の夫の親友(73話に登場)は子供ふたりいるが離婚した。養育費も払っていない。女から見ると最低の男……
 しかし、息子が孫を連れて会いに来たそうだ。かわいいい女の子。嬉しそうに話した。別れた妻は認知症で施設に入っているという。早すぎる。こちらは再婚している。無責任な男だと思う。子供は父親を恨んではいないのか?

 職場の男性も、小学校に入ったばかりの女の子がいるのに離婚した。娘はかわいいので相当迷ったようだ。
 時々は娘に会う。時々はサーフィンをしに行っている。
 
 糟糠の妻(109話)の夫もバツイチだった。
 先妻は子供が産まれると実家から戻ってこなかった。すったもんだの末に離婚。養育費は払っていない。
 糟糠の妻との間に女の子がふたりいる。よく働き、いい父親だ。妻は思う。いろいろ調べた。前妻は姓を戻していない。知ったときはショックだった。面倒だからなのか?

 私の義妹もそうだ。離婚して何年も経つがいろいろ面倒なので戻していない。その別れた夫が亡くなった。親も男兄弟ももういない。姓だけを妹が名乗っている。

 糟糠の妻は夫が滞納していた住民税もキャッシングも、すべてやりくりして払った。家も買った。貯金もいくらかできた。まだまだだがローンを払い終わる……前に夫が亡くなれば、ローンは返さなくていいらしいが、前妻の子にも相続の権利が?
 貯金で払えなければ、家を売って払うのか? 糟糠の妻は憤る。自分がいなければ、借金の相続がいってるよ……

 豪快な美容師さんの旦那はバツ2で、別れた妻との間に合わせて子どもが3人いる。数年前ようやく養育費を払い終わった。ひとり2、3万円ずつらしい。家計費は別々なのでよくわからないらしい。ひとり3万円を18歳になるまで払えばそれですむのか? 時々は前の奥さんから電話があり、なにが壊れた、とか言われ金を出しているらしい。

 子どもはどう聞かされるているのだろう? 
 いつか会いに来たりするだろうか? 
 

 

 
 
 
 
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