第28話 邪悪の蛇

文字数 778文字

 美容院の豪快な女性とは20年来の付き合いだ。客と美容師という関係だが。いろいろな話をする。年は彼女の方が10くらい若い。
 先日は子供の頃は貧乏だった、という話から……

 叔父さんと幼い頃ふたりで出かけた。母親の弟。子供もいるが……
 その叔父さんに尋常ではないものを感じた。邪悪なものを。

 豪快な女は幼い頃から気が強かった。断固拒否した。母親には話さなかったが態度でわかったのだろう。叔父とは疎遠になった。従姉妹はたくさんいた。話すに話せない少女がいたのではないだろうか?
 
 Cが中学1年に引っ越すまで、家に出入りしていた米屋の親父。幼い頃の記憶だ。幼かった。
「どのくらい重くなったか抱っこさせてごらん」
そのようなことを言われた。疑いもしなかったが。
 母は何も気付かず米屋が来ると長話をしていた。いやな時間だった。
 中学の同級生の女子と話していた時に、
「あのおじさん、いやらしいんだよね」
カラッと言った。ああ、おまえもか……Cは同調することはできなかった。同級生はカラッと親に話したのだろうか? 話していたら大変だ。米屋の親父はどうなったのだろう? 町内の米屋、噂がたてば……娘を持つ親は許さないだろう。それほどのリスクを冒しても自制できないのだろうか? 家族も気の毒だ。

『邪悪の蛇』は英国ドラマ『主任警部モース』の12話です。妻は、地位も権力もある夫の長年の邪悪な行動に気がついていた。

 子供が3歳くらいになったら、触らせてはいけない、見せてはいけないプライベートゾーンを教えるように。男の子にも。

 夫が孫とふざける。★ちゃん、お尻触らせて。かわいいお尻……5歳の孫はキャッキャとはしゃいでいる。おじいちゃん、足、こちょこちょして……ダメなのか? そういうのも。

 何年か前、ある犯罪の記事を読んだ。性犯罪の加害者はエイズだった。被害者には2重の苦しみが……
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