第194話 アルコール

文字数 1,501文字

 父は真面目な人だった。給料袋は封を切らずに母に渡し、趣味は将棋、盆栽、競馬を少し。休日は野球チームのスコアを付けに行っていた。
 母は50歳で亡くなったが、その3年前からはよくふたりで旅行していた。北海道、山陰、四国。私は母の歳を軽く超えたが、まだ連れて行ってもらってない……

 母が亡くなると父の酒の量が増えた。私が結婚して家を出ると、もう酒浸り。仕事も失い、片目の視力も失った。
 私が幼い子をおんぶし、もうひとりの手を引き、眼医者に連れて行こうと玄関を開けると、酔っていた。
 若い娘には情けない父親が許せなかったが、連れて行くべきは精神科だったのだ。
 息子の友人のおとうさんもアルコール依存症になり、奥さんは健在だから離婚した。
 アルコールは家庭を崩壊させる。

✳︎✳︎
 聖書には、アルコールを飲む事に関して多くの警告がある。しかし聖書は、クリスチャンがビール、ワイン、そのほかのアルコールの入った飲み物を飲むことを禁止してはいない。
 アルコールについて、神がクリスチャンに命令されていることは、酒に酔ってはいけないということだ。
 聖書は酔っ払うことと、その影響を罪としている。それから、クリスチャンは自分の体をどんなものにも支配されないようにとも命令されている。聖書は、クリスチャンが他のクリスチャンの気を悪くさせたり、良心に反して、罪を犯させたりするようなことするのをも禁じている。

 イエスは水をぶどう酒に変えられた。当時、水はあまりきれいではなかったのだ。現代の公衆衛生設備がなかったので、水には多くのばい菌、ウイルス、その他、各種の汚染物質が混じっていた。今日でも、多くの第三世界各国は同じ状況だ。 その結果、ぶどう酒、(またはぶどうジュース)の方が汚染が断然少なかったので、人々はぶどう酒やぶどうジュースを飲んでいた。
 パウロがテモテに水を飲むのをやめるようにと言っている。(多分テモテの胃の問題は水のせいだったのだろう)その代わり、ぶどう酒を飲むようにと勧めている。その当時、ぶどう酒は発酵していたが(アルコール分を含んでいた)必ずしも今日のそれほどではなかったのだ。 今日常用されているぶどう酒と同じではなかった。
 聖書はアルコールの入った飲み物を飲むことを禁じてはいない。アルコールそのものは罪で汚れているわけではない。クリスチャンが絶対に避けるべきことは酒に酔うことと、それに依存するようになることなのだ。

 アルコールを少量飲むのは害にもならないし、依存症にもならない。実際、健康、特に心臓のために少しの赤ワインを飲むことを勧める医者もいる。少量のアルコールを飲むことはクリスチャンの自由の問題だ。  
  酒に酔うことと依存することは罪なのだ。 しかしながら、アルコールとその影響についての聖書の警告、大量に飲むことになる誘惑、他の人をつまずかせる可能性、などを考えると、クリスチャンは、完全にアルコールを避けるのが一番だと言えるだろう……
https://www.gotquestions.org/Japanese/Japanese-abortion.htmlを参考にしました。

 夫がようやく休肝日を取れるようになった。検査結果をみて、さすがにまずいと思ったのだ。
 酒を飲まない夕食はすぐに終わる。用意したおかずが残る。飲まないと……楽だわ。楽しくはないようだが。酒を飲めないくらいなら死んだほうがいいらしい。
 私は手作りの梅酒を時々氷を入れて飲む。1年以上経っているのでおいしい。
 しかし、一杯以上飲めば、体がだるくなる。肩が重くなる。背後霊に押さえつけられているように重くなる。

 
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