第358話 毒を吐く

文字数 1,177文字

 今日、中田敦彦さんの動画でコールドプレイの『Viva La Vida』について話しておられたので聞いてみた。聞いてみて、私は富野由悠季さんの『ガンダム』を思い出した。小説版を読んだことのある方ならご存じと思うが、1年戦争のあとアムロ・レイは連邦組織によって軟禁状態に置かれる。連邦の意図はよくわかる。あんな化け物?がいたら始末に困る。かといって1年戦争の英雄を殺すわけにもいかない。軟禁され、その監視下に置かれる。そして表現は女性に対して失礼極まりないが、小説に従うなら、定期的に女をあてがわれながら・・・。よくわかる話だ。

 私は同時に先日見たゴジラー1.0も思い出した。作中のセリフに「誰かが貧乏くじを引かねば!」「皆のために誰かがゴジラに立ち向かわねば!」という下りがある。私はそのセリフを白々しい気持ちで聞いていた。「皆のためにか。やれやれ。」続編がつくられそうな感じで終わっていたので、ゴジラを打倒した彼らがその後どう描かれるのか?興味深いところではある。国を救った英雄か?はたまた、危険人物か?

 そんなわけで、岡田斗司夫さんが絶賛されていたこの作品を私は正直楽しめなかった。(楽しんで見られた方々には申し訳ないのだが・・・。)庵野秀明さんのシン・ゴジラ、山崎貴さんのゴジラー1.0ともに面白いと言えば面白かったのであろうが、(エンタメの王道だと言えばその通り!)何だか薄っぺらいな。と思ったのも事実だ。だからと言って「じゃあ、自分で作ってみろ!」と言われたら一言もないのだが・・・。

 田中芳樹先生の作品に「西風の戦記」がある。この作品では、王族同士権力争いの中、叔父に父と兄を殺され、復讐の意思を疑われるのを恐れて、その幼少から徹底的に暗愚を装い、自己をひた隠しに隠してして成長した暗い主人公が描かれている。その主人公は長じて父と兄の復讐を果たさんと決起するのだが・・・。この主人公のセリフで印象に残っているものがある。「俺は自己の復讐を果たさんがために民衆を巻き込んだ厄介者にすぎんよ。」細部は確かではないが、文意はこのようなものだったと思う。

 さて、何が言いたいかと言うと、これと言って言いたいことがあるわけではないのだが・・・。敢えて言うなら「人間社会はそんなに甘くはない。」と言ったところか。も一つ付け加えるなら「大衆は最強だ!」と。なんせ大衆は考えないから。

 こんなことを書いていると「こいつはテロリストの予備軍だ!」などと論理の飛躍した詮索をする輩もいるので断っておくが私はテロリスト予備軍などでは決してない。ただの大衆の一人だ。しかも頭の悪い・・・。
久しぶりに公の場?で毒を吐きました。だいぶシニカルな気分になっていたようです。もっともこの国には表現の自由なるものがあるそうなので(ほんとか嘘か知らないけど・・・。)悪しからず。
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