第165話 側面の情

文字数 981文字

 以前勤めていた学習塾(障害を伏せていたので長続きはしなかったが・・・)の採用試験で「貴方はどんな教師になりたいか?」という小論文の試験が出た。そこで私は次のように答えた。
 人を動かすのに3つのやり方があると聞きます。
1つは正面の理
2つ目は背面の恐怖
3つ目は側面の情
 1つ目については理屈で正面から人を説得させる方法。勉強しない生徒に対して何故勉強しなければならないかを正面から理屈でもって説く。
2つ目は恐怖で人を動かす方法。要は威嚇と脅しである。
3つ目は情で人を動かす方法。ユーモアやウィット等の笑いで生徒の心を動かす。
 私はできる事なら3つ目の側面の情で生徒を動かす教師になりたい。
 結果、見事合格して採用にこぎつけたわけだが、なかなかに良い回答だったと自負している。この小論文と学科試験(社会と国語)があり、後で聞いたことだが、社会の出来は散々だったようで、どうやら私は国語とこの小論文でひっかかったらしい。
 言うまでもないことかもしれないが、上中下で言ったら正面の理とは中策、背面の恐怖とは下策、側面の情とは上策である。と私は考える。もちろん人によっては上中下の付け方が異なることもあるだろう。そこが「らしさ」というものかもしれない。私の文章を読んでくださっている方々にはお分かりかもしれないが、私はどうも理詰めで笑いを考えるところがある。本当にユーモアのある人は論理など飛躍して笑いをとる。そういう時はとても敵わないなと思ってしまう。面白い人というのは羨ましい。どうでもいいことだが、その昔「ワンダフル」という深夜番組に「ラッパー整体師」なる職業の人が現れた、つまりはラップしながら整体するという肩書なのだが、その人がラップしながら整体するその物まねを友人がやったのが本当に面白かった。ハラワタがよじれた。もしくは、サッカーのTVゲームでラストパスを出す際に「届けこの想い!」と言う友人がいた。これも面白かった。「ラッパー教師」もしくは「教師ラッパー」なる者がいてもいいかもしれない。「教師ラッパー」はだめか・・・。そんな想いが届くと良い。さてこの文章をお読みの皆さんは勉強しない子供に対して、どの様にして勉強させますか?もしくは敢えてさせませんか?その際ここで言うところの側面の情を用いるならばどのような笑いを誘いますか?暇ならどうぞ御一考ください。
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