第1話 図書と見方と坊ちゃんと

文字数 758文字

 「アンデルセンの有名な童話に『裸の王様』がある。あれは一見、王様や大臣の、人目を気にするあまり騙されてしまう愚かさと、子供の他人に惑わされない無垢さをうたった話のようだが、そうではない。あの話の作者が本当に言いたかったのは、うまい口車で貰うもの貰ってさっさとトンズラした二人の仕立屋の賢明さである。世の中いろんな役回りの人間がいるが、できるなら僕もこの仕立屋のようなスマートな人間になりたい。」これは私が小学生の頃に書いた文章です。私自身、果たしてスマートな大人になれたのかどうか解りません。又それが小学生だった私の本心だったか否か、それはここでは明かしませんが、なかなか面白いことを言うなと我ながら思います。この文章を私が面白いと思うのは、普通見過ごしがちな仕立屋に対して小学生の私がユニークな《見方》をしているからです。このように一つの物事に対していろいろな《見方》ができるというのはとても大切なことだと思います。この《見方》がたくさん詰まっている場所が図書館です。私が学生時代お世話になった先生が常々「早起きして私の授業を聞きに来るくらいなら、その分好きな漫画でも本でも読んでなさい。そこからいろんな物の《見方》を学んだほうがよっぽど君らのためになる。」とおっしゃっていました。良言です。図書館にはたくさんの本や漫画があり、いろいろな《見方》が詰まっています。読者の皆さんも是非利用してみてください。(私もよく利用しています)今まで知らなかったいろんな《見方》が見つかるはずです。ちなみに最近の私は『坊ちゃん』の《見方?味方?》です。ピンときた方はどうぞにこりと笑ってやってください。ピンとこない方は図書館へ!彼のスマートでないところが私は結構気に入っているのです。どうです、なかなかスマートなオチでしょう?
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